高血圧による合併症と早朝高血圧
高血圧による合併症
血圧が高いと血管にダメージを与えてしまいます。これによって動脈硬化が起こり、さまざまな合併症を引き起こします。この合併症としては脳卒中や心筋梗塞、腎不全などがあります。
ただ単に「血圧が高い」という状態で死に至るわけではありません。血圧が高い状態に付随して起こる合併症によって死んでしまうのです。
合併症 |
症状 |
脳卒中 |
脳の血管が破れたり(脳出血)、脳の血管が詰まったり(脳梗塞)する病気です。血圧が高いと脳の血管に負担がかかります。 |
心筋梗塞 |
心臓に栄養を届ける冠状動脈が詰まることで起こります。これによって、心筋の一部が死んでしまいます。早急な治療が必要となります。 |
腎不全 |
腎臓は尿を作るために必要な器官です。糸球体としての毛細血管への高い圧力状態が続くと、尿を作るためのろ過機能が低下します。
腎臓の機能が低下すると「タンパク尿」が出るようになります。さらに症状が進行すると腎不全となり、人工透析が必要になります。 |
早朝高血圧(モーニングサージ)
血圧は一日の中で変動が大きいです。少しストレスを感じた時や緊張している時などであっても、血圧は容易に上昇してしまいます。一般的に血圧は夜寝ているときに低く、朝起きてから徐々に血圧が高くなっていきます。
ただし、人によっては目覚めた時に血圧が急激に上昇して高血圧となる患者さんがいます。このような病態を早朝高血圧と言います。
高血圧によってリスクが高まる疾患として脳卒中や心筋梗塞などがあります。そして、この発作は早朝から午前中で多く発生します。つまり、これらの疾患が多く発生する時間帯と早朝高血圧の時間は重なります。
そのため、「朝の急激な血圧上昇は脳卒中や心筋梗塞などと因果関係がある」と考えられています。
薬によって昼の血圧をコントロールできていたとしても、朝起きてすぐの血圧まで管理できていないことがあります。そのため、昼間の血圧だけでなく朝の血圧にも注意する必要があります。
なお、高血圧患者によっては夜寝ている時に血圧が高くなる「夜間昇圧型」の患者さんも存在します。
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