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レブラミド(レナリドミド)の作用機序:多発性骨髄腫治療薬

 

多発性骨髄腫は「血液のがん」として知られています。血液が関わる悪性腫瘍の中でも、多発性骨髄腫は比較的多くみられます。50歳以上の高齢者に多く発症し、貧血を起こしたり感染症に罹りやすくなったりします。

 

そこで、多発性骨髄腫を治療するために用いられる薬としてレナリドミド(商品名:レブラミド)があります。レナリドミドはサリドマイド誘導体と呼ばれる種類の薬になります。

 

 レナリドミド(商品名:レブラミド)の作用機序
薬害を引き起こしたことで有名になった薬にサリドマイドがあります。薬害事件によって一度は市場から消えたサリドマイドですが、難治性の多発性骨髄腫に対して、約30%の方に効果を示すことが明らかになりました。他の薬剤と併用すると、50%を超える効果が確認されています。

 

これらの結果を受け、多発性骨髄腫を治療する有用な薬としてサリドマイド(商品名:サレド)が復活しました。ただ、サリドマイドは副作用が問題になっています。

 

そこで、サリドマイドの構造を少し変え、副作用を少なくし、さらに多発性骨髄腫に対する効果を高めた薬としてレナリドミド(商品名:レブラミド)が開発されました。

 

多発性骨髄腫に対するサリドマイドの作用機序は完全に明らかとなっていませんが、同様にレナリドミド(商品名:レブラミド)の作用機序もすべて明らかになっているわけではありません。分かっているものとしては、「殺腫瘍作用」と「免疫調節作用」によって抗がん作用を示しているということが挙げられます。

 

 ・殺腫瘍作用
私たちの体には、がんを抑制するための遺伝子が存在します。これを「がん抑制遺伝子」と呼びます。レナリドミド(商品名:レブラミド)を投与すると、がん抑制遺伝子が多く作られることが分かっています。

 

また、がん細胞は無秩序な増殖を繰り返しますが、レナリドミド(商品名:レブラミド)は細胞が増殖するための回転周期をストップさせます。多発性骨髄腫の細胞に対して増殖抑制作用を示し、がん細胞を細胞死へと導きます。要は、がん細胞へ直接働きかけることによって抗がん作用を示すのです。

 

 ・免疫調節作用
普段の生活の中でも、がん細胞は絶えず発生しています。しかし、滅多なことでがんを発症することはありません。これは、体内でがん細胞が発生したとき、私たちの免疫細胞が悪性の腫瘍細胞を殺しているからです。これと同じように、免疫系の働きを活性化させれば、多発性骨髄腫を治療できるようになります。

 

レナリドミド(商品名:レブラミド)を投与すると、「腫瘍細胞を発見して殺す」という作用を行う免疫細胞が活性化されます。これが抗がん作用に繋がります。

 

 レブラミド(レナリドミド)の作用機序:多発性骨髄腫治療薬

 

このような考えにより、多彩な作用によって多発性骨髄腫を治療しようとする薬がレナリドミド(商品名:レブラミド)です。

 

 レナリドミド(商品名:レブラミド)の特徴
サリドマイドが催奇形性を有していることから、レナリドミド(商品名:レブラミド)も同様に胎児に奇形をもたらす可能性が懸念されています。そのため、胎児への暴露(妊娠予定のある方などへの投与)を避ける必要があります。

 

レナリドミド(商品名:レブラミド)は、再発もしくは難治性の多発性骨髄腫に対して高い効果を有する薬です。レナリドミドとデキサメタゾン(ステロイド剤)を併用した場合では、約60%の奏効率(がん細胞が縮小したり消えたりする割合)と特に高い効果を発揮します。

 

骨髄異形成症候群と呼ばれる難病に対しても、レナリドミド(商品名:レブラミド)は有効です。

 

ほとんどの患者さんで副作用が確認され、主な副作用としては血小板減少症、好中球減少症、白血球減少症、リンパ球減少症、便秘、発疹、貧血、好酸球増加症、そう痒症(かゆみ)などが知られています。

 

このような特徴により、薬害事件で問題となったサリドマイドの構造を変換し、より効果の高い薬として開発された医薬品がレナリドミド(商品名:レブラミド)です。

 

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