ニトログリセリン物語:ノーベルの憂鬱
ニトログリセリンと聞いて多くの人は「ダイナマイト」を思い浮かべるのではないでしょうか?
1901年から始まるノーベル賞の設立者であるA・ノーベルは、ニトログリセリンを安全に使用する方法を開発しました。これがダイナマイトです。
「死の商人」
ダイナマイトは炭鉱やトンネル工事などで使用され、「仕事効率の上昇」や「危険性の減少」など大きな影響をもたらしました。
しかし、一方で戦争でも大きな影響をもたらしました。ダイナマイトは戦争で使用され、これによってノーベルは巨額の富を得たのです。
そして、戦争によって富を得たため、ノーベルは「死の商人」と呼ばれるようなったのです。
「世界に貢献する、安全に運べる爆薬」として開発されたダイナマイトですが、実際には戦争で人を殺す道具として使用されました。
このことに心を痛めていたノーベルはある遺言を残したのです。これによって、ノーベル賞が設立されました。
狭心症の薬
現在、ニトログリセリンは狭心症に対する薬として使用されています。
ある時、ダイナマイトを製造するニトログリセリン工場で働いている狭心症患者がいました。そして、この患者が工場で働いている間は狭心症による発作を起こさなかったのです。
それからというもの、ニトログリセリンは狭心症の特効薬として使用され始めたのです。
晩年、ノーベルは狭心症を患いました。そして、発作を抑えるためにニトログリセリンが処方されていたと言われています。
ニトログリセリンのおかげで巨額の富を築いたノーベルですが、そのせいで「死の商人」とも呼ばれるようになりました。そして、今度は命を救う薬としてニトログリセリンを服用することになるとはなんとも皮肉なものです。
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