イラストKYT
イラストKYTの概要
イラストKYTでは、最初にイラストや写真を用意する必要があります。
用意したイラストに対し、「イラストの何処に危険が潜んでいるか」、「その危険を回避するにはどうすればよいか」などを話し合います。
このように、イラスト中に含まれる危険を予知します。
KYTの進め方
KYTを進めるためには、「危険予知訓練シート」を活用します。このシートを使い、潜んでいる危険を話し合い、業務へ反映させます。
危険予知訓練シートは四段階に分かれており、第一ラウンドでは「どんな危険が潜んでいるか」の現状把握を行います。
第二ラウンドでは「危険のポイントを見極める」のための原因追求を行い、第三ラウンドでは「あなたならどうする? 私ならこうする」として個人レベルでの対策立案を模索します。
第四ラウンドでは、「私たちはこうする」と組織レベルの対策まで落とし込みます。
それでは、先ほどのイラストを例にして、実際にKYTを進めていこうと思います。
第一ラウンド:現状把握
「どんな危険が潜んでいるか」の現状把握を行う第一ラウンドについてです。
下図には先ほどのイラストを載せてありますが、このイラストにどのような危険が潜んでいるかを話し合います。
例えば、イラスト左の看護師に着目してください。看護師が輸液をセットしていますが、この輸液の台には滑車が付いてあり、台が固定されていません。そのため、輸液の台が動いてしまう、または倒れてしまう恐れがあります。
他にも、イラスト真ん中のベッドに子どもが描かれています。この子どもの身長に対し、ベッドの柵が短いのではないかという事が考えられます。そのため、夜に寝返りをうった時にベッドから転倒するかもしれません。
また、右端の看護師は手にたくさんのお茶を持っています。そのため、足元にまで注意が行かず、躓いてお茶をこぼしてしまう恐れがあります。
このように、イラストから様々な危険を予測します。
第二ラウンド:原因追究
第二ラウンドでは、危険のポイントを見極める原因追求を行います。具体的には、先ほどの第一ラウンドで話し合った危険の想定事項に対し、重要度の高いものとそうでないものに分けます。
今回の場合、イラスト中の危険のうち「輸液の台が固定されておらず、倒れてしまう(動いてしまう)」を最も重要度を高くして「◎」とします。
他にも、「子どもの身長に対して柵が短く、寝返りの際に転倒する」も重要度を上げて「○」とします。
これら想定事項の重要度を決定した後、第三ラウンドへ移ります。
第三ラウンド:対策立案
第三ラウンドでは、「あなたならどうする? 私ならこうする」として個人レベルでの対策立案を行います。
先ほどの第二ラウンドで重要度を高く設定した項目に対し、個人でどのような対策を行えばよいかを書き出します。
例えば、 「輸液の台が固定されておらず、倒れてしまう(動いてしまう)」に対しては、「輸液するための台を地面に固定した後で、輸液をセットする」とします。
「子どもの身長に対して柵が短く、寝返りの際に転倒する」に対しては、「子どもの身長に合ったベッドに変える」と書き出します。
このように個人レベルでの対策立案を行った後、第四ラウンドに移行します。
第四ラウンド:目標設定
第四ラウンドでは、「私たちはこうする」として組織レベルでの対策を行います。
先ほどの「輸液の台が動いてしまう」に対しては、そもそも「滑車の付いてない器具へ変えればよい」と考えます。また、「点滴ルートやベッド周りの点検を徹底する」という事をチームで再認識します。
他にも、「輸液固定よし!」、「ベッドの安全確認よし!」と指差呼称することも大切であると組織単位で確認できます。
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