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役に立つ薬の情報~専門薬学

花粉症対策

 

 外出時の花粉症対策
花粉の暴露を避けるため、外出時の花粉症対策を紹介します。

 

 外出時の花粉症対策

 

一つ目に、マスクやメガネを着用することがあります。着用するマスクとしては、花粉をブロックし、呼吸しやすいものが理想となります。また、通常のメガネでも花粉への暴露を1/3
に減らすことができます。

 

二つ目に、表面が滑らかな素材の服装です。これは、滑らかな素材であると花粉が付着しにくいためです。そのため、ウール素材などは避けます。花粉を防ぐために、帽子なども有効です。

 

三つ目に、花粉情報のチェックがあります。これらの情報をもとに、日中活動の参考にする、花粉の多い場所を避けるなどを行います。

 

 メガネとマスクの効果
マスクとメガネの効果について紹介します。 通常のマスク、メガネを着用した状態であると、マスク・メガネなしの状態に比べて鼻の中の花粉数は約1/3に、結膜上の花粉数は約1/2となります。

 

花粉症用のマスク・メガネであると、鼻の中の花粉数を約1/6に、結膜上の花粉数は約1/3に減らすことができます。

 

 家の中での花粉症対策
家の中で行う花粉症対策についても三つ紹介します。

 

 家の中での花粉症対策

 

一つ目に、帰宅後は花粉を払うことがあります。これは、衣服や髪についた花粉を除去するために行います。洗顔やうがいなども有効です。

 

二つ目に、こまめな掃除です。これによって、家の中の花粉を除去することができます。花粉の他にも、塵やダニの除去にも役立ちます。

 

三つ目に、日中の窓や戸の開閉を少なくします。これは花粉を家の中に入れないためです。特に花粉量の多い日は気をつける必要があります。

 

 花粉症の薬物療法
花粉症で使用される主な薬としては、抗ヒスタミン薬、化学伝達物質遊離抑制薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬などがあります。

 

これらの薬は「花粉症の症状」によっても使い分けることができます。

 

 花粉症の薬物療法

 

くしゃみ・鼻汁型の花粉症であれば、主に抗ヒスタミン薬や化学伝達物質遊離抑制薬が使用されます。それに対し、鼻閉型の花粉症であれば抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧用ステロイド薬が使用されます。

 

 花粉症の早期治療
これら花粉症の薬物療法として行うべき最も重要な事柄に「早期治療」があります。

 

治療を早くから行うメリットとして、花粉症の重症化を防ぐことがあります。花粉症の初期では、鼻粘膜の炎症が進んでいません。

 

この段階で炎症を早く鎮めておくと、重症化を回避する可能性が高まります。

 

スギ花粉飛散の予測日は、約一ヶ月前に発表されます。これらの情報を元に、二週間前にはかかりつけ医師の受診が必要となります。

 

 花粉症の早期治療

 

早期治療を行うことによって、「花粉症の症状を軽くする」、「薬を使用する量や回数を少なくする」などを実現することができます。

 

 インペアード・パフォーマンス
花粉症の薬によってパフォーマンス低下が起こることもあります。

 

花粉症では抗ヒスタミン薬が多用されます。しかしながら、抗ヒスタミン薬の副作用として眠気があります。つまり、抗ヒスタミン薬によって集中力や判断力・作業効率の低下を招く恐れがあります。

 

 インペアード・パフォーマンス

 

このように、花粉症の薬の副作用によって「運転」、「スポーツ」、「勉強」、「パソコン作業」など、気づかないうちに日常生活のパフォーマンス低下を招くことがあります。これを、「インペアード・パフォーマンス」といいます。

 

 レーザー治療
現在行われている花粉症の主な手術療法はレーザー治療です。これは、鼻粘膜を変性させることで鼻づまり・くしゃみなどの症状を改善します。

 

 レーザー治療

 

レーザー治療の特徴ですが、治療時間が30分程度と短く、保険適応も可能なため、患者さんは3割負担で実施することができます。治療後はしばらく症状が強くなることもありますが、2
週間程度で症状は改善されます。

 

ただし、粘膜は再生するので、花粉症が完治するわけではありません。平均して2年間は効果が持続するといわれています。

 

 花粉症の根本治療
花粉症の根本治療としは、減感作療法があります。

 

減感作療法は、花粉抗原を防御する免疫を獲得させることで花粉症を治療します。より簡単に言えば、「花粉に慣れさせる」となります。

 

治療法としては、花粉の抽出エキスを取り入れ、花粉症を治療します。

 

減感作療法が行われ始めた頃、治療法としては「花粉エキスの注射」が基本でした。現在では、注射をしない減感作療法として「舌下に花粉エキスを染み込ませることで免疫を得る舌下減感作療法」が期待されています。

 

 舌下減感作療法

 

「注射の場合と同じように花粉症が完治する人もいること」が、この治療法の大きな特徴です。また、自宅で治療ができ、通院は月に1回程度です。注射と比べて、副作用も少ないです。

 

なお、医学的に治療効果・安全性が証明されている治療法ではありますが、効果がない人は約30%います。

 

人によっては根本治療が可能な治療であるので、期待されています。

 

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