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抗インフルエンザ薬の作用機序

 

 抗インフルエンザ薬の作用
抗インフルエンザ薬についてですが、現在の抗インフルエンザ薬はウイルスを殺すわけではなく、増殖を抑える作用をもちます。

 

増殖を抑えるため、ウイルスが既に増殖してしまった後では薬の効果がありません。そのため発症早期、具体的には48時間以内に服用する必要があります。

 

 48時間以内の服用

 

抗インフルエンザ薬としてはノイラミニダーゼ阻害薬としてタミフル、リレンザ、イナビルなどがあります。M2タンパク阻害薬としてはアマンタジン、RNAポリメラーゼ阻害薬としてT-705(開発中)があります。

 

 抗インフルエンザ薬

 

 抗インフルエンザ薬の作用機序
インフルエンザの増殖機構ですが、まず細胞に吸着して細胞内へ侵入します。

 

 抗インフルエンザ薬の作用機序

 

侵入した後、ウイルスは自身の膜を除去し、細胞内へRNAという遺伝情報を放出します。この過程を脱殻といいます。M2タンパク阻害薬であるアマンタジンはこの脱殻を阻害します。

 

細胞質に放出されたウイルスのRNAは核内に取り込まれ、ウイルスの遺伝子合成が行われます。この過程が複製であり、RNA ポリメラーゼ阻害薬はこの複製を阻害します。

 

複製された遺伝子からタンパク質などが作られ、新しく作られたインフルエンザウイルスは細胞の外へ遊離します。この遊離過程にはノイラミニダーゼというタンパクが重要な働きをします。

 

タミフルなどのノイラミニダーゼ阻害薬はこの過程を阻害し、インフルエンザウイルスが細胞外へ遊離するのを防ぎます。

 

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