食中毒対策(消毒薬、水分補給など)
消毒薬の分類
食中毒対策として消毒薬を紹介します。
下図で一番押さえてほしいポイントとしては、一般細菌に対しては全ての消毒薬でマルが付いている点です。つまり、カンピロバクターや病原大腸菌などの一般細菌を殺したい場合であれば、どのような消毒薬を使用しても構いません。
ただしウイルスなど特殊な病原菌に関しては、それぞれに対応した消毒薬を使用する必要があります。ノロウイルスは小型サイズのウイルスに該当するため、次亜塩素酸ナトリウムなどによる中水準以上の消毒薬が使用されます。
次に適応対象についてです。例えば、次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性をもつため、金属の殺菌には適応しません。他にも消毒用エタノールであれば、刺激性があるため粘膜には使用できません。
このように、金属に使用するのか非金属に使用するのか、また床や壁などの環境の消毒か、人体に使用したいのかなどによって使い分ける必要があります。
消毒薬の使い分け
前述した通り、大腸菌などの一般細菌に対してはどの消毒薬を使用しても良いです。
ただし、消毒薬を使い分ける必要のある病原菌があります。ノロウイルスであれば、次亜塩素酸ナトリウムなど適切なものを選ばなければいけません。
このように病原菌によって、消毒薬を使い分ける必要があります。
食中毒への対処法
食中毒に罹った場合について確認していきます。
食中毒に対しては、補液・整腸剤による対症療法が基本となります。補液は下痢・嘔吐など脱水症状に対して使用します。
軽症であればスポーツ飲料などの経口補水液を利用し、中等度以上であれば経口補水液にプラスして輸液など静脈を経て投与します。
また、整腸剤による腸内細菌の是正も重要です。これによって乳酸菌やビフィズス菌などの正常な腸内細菌を回復し、病原体の定着を防止します。
なお、抗菌剤の投与は必ずしも必要ではありません。重症度など必要に応じて投与となります。
一日の接種水分量と排泄水分量
一日の水分量の目安についてですが、正常な人の場合、一日の水分摂取は飲料水や食事中の水からが主となります。水分排泄に関しては尿や汗によるものが主であり、糞便からは一日に100 mL程度です。
食中毒によって下痢を引き起こした場合、糞便による水分排泄量は大幅に増えます。
下痢便の一日水分排泄量
下の表に下痢便の一日排泄量を示してあります。
成人では下痢便だけで500~8,000mLと大幅に水分が減っていきます。小児の下痢便であっても一日500mL程度の水分が奪われます。
また、下痢では表に示しますように電解質も失われます。そのため、汗などによって水分が失われた場合と同様に電解質を補うことも必要です。
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