健常人にとっての耐性菌
健常人にとっての耐性菌
健常人にとっての耐性菌についてですが、耐性菌の感染力は通常の病原菌と同じです。また、通常の菌に比べて耐性菌はまれにしか存在しないため、健常人にとっても問題となりません。
このように、耐性菌は誰にでも感染する訳ではありません。
耐性菌感染の条件としては、「抵抗力(体力)の低下」や「耐性菌の増殖しやすい環境」などがあります。これらの条件が揃った場合、耐性菌に感染してしまいます。
院内感染対策の種類
院内感染への対策をいくつか紹介します。
一つ目に、病原菌の蔓延を防止することがあります。院内感染の多くは手指などを介した接触感染によるものです。そこで、接触感染予防策や標準予防策を徹底します。
二つ目に、環境整備があります。環境整備では、「薬剤耐性菌へ感染した患者さんの隔離」や「汚染処理など手技の見直し」を行います。
三つ目に、適切な知識の習得があります。前のスライドで紹介した「抗菌薬の適正使用」や「耐性菌対策について、医療従事者を教育すること」などを実施します。
次から、もう少し具体的に見ていきたいと思います。
院内感染への対策①(標準予防策の徹底)
院内感染への対策として、標準予防策の徹底があります。
感染症の予防には「病原菌への対策」、「感染経路への対策」、「感受性宿主への対策」などがあります。これら三つの対策に共通して行うべき予防策として標準予防策があります。
標準予防策では感染症の有無に関わらず、「患者さんと接する時にはマスクをする」、「汚れた手袋・ガウンはすぐに外し、手洗いをする」、「入室時、部屋を出るときに消毒薬を使用する」、「使用済み針はキャップをする」などがあります。
全ての患者さん・職員全員に対し、標準予防策を実施します。
院内感染への対策②(薬剤耐性菌へ感染した患者さんの隔離)
院内感染防止の有効な手段として、薬剤耐性菌へ感染した患者さんの隔離があります。
下の左図ではベッドが複数あり、さまざまな人が行き交っています。ここで、薬剤耐性菌の保菌者が確認された場合、右の図のように個室へと移動させます。これにより、耐性菌の蔓延を防ぐことができます。
このように、耐性菌を保有する患者さんは個室隔離が原則となります。
院内感染への対策③(接触感染対策や環境整備)
耐性菌は手指を介して伝罵するため、接触感染対策や環境整備が重要となります。
下図にはベッド、診察台、浴槽のイラストについて載せてあります。院内感染予防の対策例としては、手すりや診察台など一日一回はアルコール消毒を行うことが考えられます。
他にも、浴槽やトイレなどの水周りの汚染に注意することも必要となります。図に示した場面以外にも対策すべき箇所はたくさんあります。それぞれの箇所について、適切な対策を行う必要があります。
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