ドーピングで常に禁止されている薬物
未承認物質、蛋白同化薬、ペプチドホルモン・成長因子
常に禁止されている薬物について確認していきます。
最初に、「未承認物質」についてです。医薬品は国からの厳格な審査を受けたあと、病気を治療する目的で発売されます。国の審査を通っていない薬物、つまり治療目的で承認されていない薬はドーピングとして禁止されています。
このような薬には「開発中の薬」や「開発中止になった薬」などがあります。
次に、「蛋白同化薬」です。筋肉はタンパク質で構成されています。タンパクの同化とは、タンパク質を作らせることを指します。つまり、蛋白同化薬はタンパク質をたくさん作り、筋肉増強剤としての働きをします。
蛋白同化薬としては、テストステロンなどの男性ホルモンがあります。これらの薬物を多量服用すると、肝臓がんや心血管障害などの副作用を引き起こします。
三番目に、「ペプチドホルモン・成長因子」があります。ペプチドホルモンとしては、酸素運搬能を上昇させるエリスロポエチンがあります。また、成長因子として筋肉増強作用をもつ成長ホルモンも禁止されています。
β2刺激薬、ホルモン拮抗薬と調節剤、利尿薬と他の隠蔽剤
常に禁止されている薬物の四番目に、「β2刺激薬」があります。
β2刺激薬は喘息の治療など、気管支拡張薬として使用されます。しかしながら、 β2刺激薬には闘争性を高める交感神経興奮作用や筋肉増強作用があるため、ドーピング禁止薬物となっています。
五番目に、「ホルモン拮抗薬と調節剤」があります。筋肉増強剤である蛋白同化薬が禁止薬物であることを紹介しましたが、これには男性ホルモンが関係しています。
同じように、男性ホルモンや女性ホルモンを調節する薬物は筋肉増強に関わるために禁止されています。
六番目に、「利尿薬と他の隠蔽剤」があります。利尿薬は尿の量を多くする薬ですが、これはドーピング検査に引っかからないようにする隠蔽剤としての役割があります。
薬物は「肝臓での代謝」や「尿中からの排泄」によって、体外へ排出されます。そのため、利尿剤は尿量を多くすることで薬物を早く体外へ出し、ドーピング検査をすり抜けるようにします。
このため、利尿薬などを含む隠蔽剤の使用は禁止されています。
スポンサードリンク
カテゴリー
スポンサードリンク