Kendall(ケンドール)の一致係数
Kendallの一致係数W(ノンパラメトリック法)
Kendallでは関連多群での相関を判定することができる。なお、これはノンパラメトリック法である。
・仮説の設定
帰無仮説(H0):「相関はない」と仮定する。
対立仮説(H1):「相関はある」と仮定する。
・確率を求める
○行(要因B)を検定する場合
列(要因A)の各群ごとに順位をつける。その後、順位を足してRiを求める。
(行数をk,列数をnとする)
○列(要因A)を検定する場合
行(要因B)の各群ごとに順位をつける。その後、順位を足してRiを求める。
(行数をn,列数をkとする)
※ここまでの手順はFriedman検定のときと同じである
Riを求めたら、Riの偏差平方和Sを次の式によって求める。
※別に求めなくてもよいが、を使って偏差平方和Sを求める場合は下の式を使って導き出す。
偏差平方和Sを求めたら次の公式によってWを求める。なお、Wの取りうる値は0≦W≦1である。
次は、下の式によってX2rを求める。
Friedman検定のときと同じように判定する。
・k≦4のとき → Friedman検定表から求める
・判定
P≧αのとき帰無仮説を棄却できない。
P<αのとき帰無仮説を棄却する。
・k>4のとき → X2rは近似的に自由度df=k-1のX2分布に従う → X2分布表
・判定
X2≦X2αのとき、P≧αとなり帰無仮説を棄却できない
X2>X2αのとき、P<αとなり帰無仮説を棄却する
………………………………………………………………………………………………………………
例題
理系の学生6人に好きな科目のアンケートをとった。学生が好きな科目に一貫性があるかどうかを判定せよ。
|
国語 |
数学 |
英語 |
物理 |
化学 |
地理・歴史 |
A |
6 |
2 |
4 |
1 |
3 |
5 |
B |
5 |
1 |
4 |
2 |
3 |
6 |
C |
5 |
2 |
5 |
3 |
1 |
4 |
D |
6 |
5 |
2 |
3 |
1 |
4 |
E |
5 |
3 |
4 |
1 |
2 |
6 |
F |
5 |
1 |
6 |
2 |
3 |
4 |
(注:このデータは便宜的に作ったもので、実際のデータではない)
帰無仮説(H0):学生が好きな科目に一貫性がない
対立仮説(H1):学生が好きな科目に一貫性がある
・計算
好きな科目に一貫性があるかどうかを判定するので、行(科目)に注目する。最初から順序尺度のデータなので、そのまま各群で順位を足してRiを求める。
|
国語 |
数学 |
英語 |
物理 |
化学 |
地理・歴史 |
|
A |
6 |
2 |
4 |
1 |
3 |
5 |
|
B |
5 |
1 |
4 |
2 |
3 |
6 |
|
C |
5 |
2 |
5 |
3 |
1 |
4 |
|
D |
6 |
5 |
2 |
3 |
1 |
4 |
|
E |
5 |
3 |
4 |
1 |
2 |
6 |
|
F |
5 |
1 |
6 |
2 |
3 |
4 |
|
G |
4 |
2 |
5 |
3 |
1 |
4 |
|
Ri |
36 |
16 |
30 |
15 |
14 |
33 |
ΣRi=144 |
Ri2 |
1296 |
256 |
900 |
225 |
196 |
1089 |
ΣRi2=3962 |
(ΣRi)2 = 1442 = 20736 、 n=7,k=6
これらの数値から、下の式によってRiの偏差平方和Sを求める。
次に、Sから下の式によってWを求める。
Wを求めたら、次の式によってX2rを求める。
k>4なので、X2rは近似的に自由度df=k-1=6-1=5のX2分布に従う。X2分布表より、X20.05=11.071である。
X2=20.65>11.071=X20.05なので、P<0.05となり帰無仮説を棄却できる。よって、「学生が好きな科目に一貫性がある」ということができる。
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