Bartlett(バートレット)検定
Bartlett検定
Bartlett検定は「分散が均一であるかどうか」を検定する。独立多群や関連多群で分散分析(一元配置分散分析法、二元配置分散分析法)をするとき、分散が均一でないといけない。
もし、Bartlett検定によって分散が均一でないと判断されたら、分散分析では検定しない方が良い。分散が均一でないならKruskal-Wallis検定やFriedman検定を行う。
測定値 |
データ数 |
分散 |
|
A1 |
○○○ |
n1 |
s12 |
A2 |
○○○○○ |
n2 |
s22 |
Ak |
○○○○ |
nk |
sk2 |
|
|
N |
|
n=データ数、s2=分散、k=群数
・仮説の設定
帰無仮説(H0):「各群の分散は均一である」と仮定する。(分散に差はない)
対立仮説(H1):「各群の分散は均一でない」と仮定する。(分散に差がある)
・確率を求める
統計量を求めるには、まず分散がどれくらい偏っているかを表す偏り度Mを求める。Mは次の式によって求めることができる。
このときのsE2は郡内変動を表す分散であり、次の式によって求めることができる。
Mを求めたら、今度はデータ数の補正係数Cを求める。
MとCを使い、次の式で偏りを標準化させることで統計量X2を求める。
このとき、自由度df=k-1のX2分布に従うので、X2分布表よりX2αを求めて判断する。
・判定
X2≦X2αのとき、P≧αとなり帰無仮説を棄却できない → 各群の分散は均一である
X2>X2αのとき、P<αとなり帰無仮説を棄却できる → 各群の分散は均一でない
………………………………………………………………………………………………………………
例題
下の表のデータについて、分散は均一であるかを検定せよ。
測定値 |
データ数 |
分散 |
|
A1 |
○○○ |
3 |
10 |
A2 |
○○○○○ |
5 |
19 |
A3 |
○○○○ |
4 |
8 |
(注:このデータは便宜的に作ったもので、実際のデータではない)
帰無仮説(H0):各群の分散は均一である
対立仮説(H1):各群の分散は均一でない
・計算
まず、郡内変動の分散を求めないといけない。データ数=12、群数k=3
郡内変動の分散値を求めたら、偏り度Mを計算する。
補正係数Cは次のように計算できる。
このとき、統計量はMとCを使って次の式で求める。
自由度df=k-1=3-1=2のX2分布に従うので、X2分布表よりX20.05=5.99となる。
X2値<X20.05なので、P>0.05となり帰無仮説を棄却できない。つまり、「各群の分散は均一でない」とはいえない。
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