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役に立つ薬の情報~専門薬学

タンパク質の構造

 

多くの薬はタンパク質に作用することで効果を発揮します。そのため、「薬がなぜ効くか?」を理解するにはタンパク質の構造を理解していないといけません。

 

ここでは、タンパク質の構造を簡単に説明したいと思います。

 

 鍵と鍵穴の関係
「薬と受容体」でよく薬で例えられるのが鍵と鍵穴の関係です。

 

どういうことかというと、「少し形が違うだけで効果がなくなる」ということです。鍵は鍵穴にぴったり合わないと鍵を開けることはできません。ほんの少し鍵の形が変わってしまえば、鍵穴に合わなくなってしまうのです。

 

同じことが薬にも言えます。

 

薬の構造が少し変化しただけで、薬としての効果を失ってしまいます。毒に変わることだってあるのです。

 

 アミノ酸の集まりであるタンパク質
タンパク質はアミノ酸の集まりです。アミノ酸には数種類あり、これらのアミノ酸がどう繋がっているかが重要になります。

 

また、繋がったアミノ酸は立体構造を取ります。タンパク質はアミノ酸によるただの長いヒモではありません。三次元的な立体構造を取ることで、その機能を発揮するのです。

 

 タンパク質

 

 アミノ酸の種類
アミノ酸にはさまざまな種類がありますが、これはどの種類の側鎖をもつかによって決まります。つまり、側鎖の種類によってアミノ酸の性質が決定するのです。

 

酸性のアミノ酸もあれば、塩基性のアミノ酸、ベンゼン環をもつアミノ酸などさまざまです。これら側鎖の性質によってアミノ酸同士が引きつけられたり反発したりします。

 

そして、薬がタンパク質に作用する場合、薬が作用する受容体はタンパク質ということになります。

 

薬がタンパク質のどの部分と相互作用する(結合する)かというと、アミノ酸の側鎖と相互作用します。このとき、薬と受容体が結合するための相互作用にはいくつかの種類があります。

 

 鍵と鍵穴の問題点
薬は鍵と鍵穴によく例えられると前に述べましたが、これだけを聞くと薬が作用するのに問題が生じます。なぜなら鍵を鍵穴の前に置いても、勝手に鍵が鍵穴にはまることはないからです。

 

鍵を鍵穴にはめるには、人間が目で鍵穴を確認して鍵を差し込まなくてはなりません。

 

薬も同様に、作用するタンパク質(受容体)を見分けて作用しないといけません。それでは、薬(鍵)はどのようにして受容体(鍵穴)を認識しているのでしょうか。

 

 薬物の相互作用
ここで重要となるのが相互作用です。薬と受容体はお互いに引き合うことで鍵と鍵穴を見分けているのです。つまり、薬はアミノ酸の側鎖とさまざまな相互作用をすることで受容体を認識するのです。

 

逆にいえば、相互作用がないと薬は鍵穴である受容体を見分けることができません。そのため、薬の相互作用を考えることは重要なのです。

 

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