ショック症状と脱水症
ショックとは
ショックとは、何らかの原因によって酸素や栄養が全身組織にいきわたらない状態に陥る症候群である。これらは低血圧状態になることで起こる。ショックは主に次の三つに分類される。
・血液量減少性ショック
・心原性ショック
・血液配分性ショック
それぞれ次のような原因によって起こる。
分類 |
原因 |
治療 |
血液量減少性 |
出血・火傷・下痢 (循環血液量の減少) |
輸血・輸液 |
心原性 |
心不全・心筋梗塞 (心機能の低下) |
ドパミンの投与 |
血液配分性 | 敗血症・アナフィラキシーショック |
アドレナリン筋注 |
・血液量減少性ショック
出血などによって体液が減少すると、循環血液量が減少してショックに陥る。このため、治療には輸血や輸液が必要である。
輸液は成分が細胞外液に移行せず血管内に留まり、血漿成分を増加させるものを使用する。そのため、輸液にはデキストランや血漿タンパクを含むものを使用する。
脱水症
脱水状態では体液量が減少しており、循環血液量が不足している。脱水症は二つに分類することができ、純粋水欠乏型と純粋食塩欠乏型がある。
つまり、脱水症には「水が減る(純粋水欠乏型)」と「食塩が減る(純粋食塩欠乏型)」の二種類があるり、それぞれ治療方法が異なる。
・純粋水欠乏型(高張性脱水)
細胞外液の水分喪失が起こると、細胞外液での電解質濃度上昇するので細胞外液の浸透圧が高くなる。これにより、細胞内液の水分は浸透圧の高い細胞外液の方に流れていく。
つまり、純粋水欠乏型のように水が減る脱水症では、細胞内の水分が減少する。
・純粋食塩欠乏型(低張性脱水)
細胞外液のNaが消失すると、細胞外液の電解質が減少するので浸透圧が低下する。これにより、細胞外液の水分は浸透圧の高い細胞内の方へ流れていく。
つまり、純粋食塩欠乏型のようにNaが減る脱水症では、細胞内に水が溢れる。
純粋水欠乏型(高張性脱水)では細胞内の水分が減少しているため、水分が細胞内に移行するように低張電解質液を補液する。
また、純粋食塩欠乏型(低張性脱水)では細胞内の水分が上昇しているため、乳酸リンゲル液など電解質を含む液を補充する。これにより、細胞外液に電解質を補うようにする。
細胞外液の電解質濃度
細胞外液の電解質濃度は通常下のようになっている。
電解質組成(mEq/L) |
||||
Na+ |
K+ |
Ca2+ |
Cl- |
|
細胞外液血漿 |
140 |
4.5 |
5.0 |
100 |
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