交感神経作動薬、交感神経遮断薬
「~テロール」と「~オロール」
実はβ2作動薬とβ遮断薬をとても簡単に覚えられる方法がある。それが、「~テロール」と「~オロール」である。β2作動薬は「~テロール」と名前が付いている。それに対し、β遮断薬は「~オロール」と名前が付いている。
β2作動薬には「プロカテロール、ツロブテロール、マブテロール」などがあり、全て「~テロール」となっている。β遮断薬には「プロプラノロール、ピンドロール、メトプロロール」などがあり、これらも全て「~オロール」となっている。
※プロプラノォロール、ピンドロォールメト、メトプロロォール
※作動薬とは、受容体を刺激する薬物のことである
交感神経作動薬
・α1受容体作動薬
α1受容体を刺激すると血管収縮が表れる。そのため、α1受容体作動薬は血圧を上昇させる。「~リン」とつけば、α1受容体作動薬であることが多い。
・ナファゾリン(商品名:プリビナ)
・フェニレフリン(商品名:ネオシネジン)
・ミドドリン(商品名:メトリジン)
・メトキサミン
・α2受容体作動薬
α2受容体はGiタンパク結合型である。そのためα2受容体刺激によってNAdの遊離が抑制され、血圧は下降する。
・クロニジン(商品名:カタプレス)
・β受容体作動薬
イソプレナリンは非選択的β受容体作動薬であり、合成カテコールアミンである。
・β1受容体作動薬
β1受容体刺激には心機能亢進作用がある。そのため、β1受容体作動薬によって心拍出量増加などの作用が表れる。
・ドブタミン
・β2受容体作動薬
気管支にはβ2受容体があり、この受容体を刺激することによって気管支拡張作用が得られる。
・プロカテロール(商品名:メプチン)
・ツロブテロール(商品名:ホクナリン)
・サルブタモール(商品名:ベネトリン)
・マブテロール
なお、同じβ2作動薬であってもリトドリン(商品名:ウテメリン)には子宮弛緩作用があり、流産・早産の防止に用いられる。
β2受容体刺激によって気管支喘息治療薬となるので、それと逆の作用をする非選択的β遮断薬は気管支喘息患者に禁忌であることが容易に想像できる。
交感神経遮断薬
交感神経遮断薬は作動薬の反対の作用をすると覚えれば良い。
・α1受容体遮断薬
α1受容体を遮断することによって血管を拡張させ、血圧を低下させる。そのため、高血圧治療に用いられる。なお、ブナゾシンは緑内障にも用いられる。
・プラゾシン(商品名:ミニプレス)
・ブナゾシン(商品名:デタントール)
また、前立腺肥大による排尿障害治療としてα1受容体遮断薬が用いられる。この薬としては次のようなものがある。
・タムスロシン(α1A受容体阻害薬、商品名:ハルナール)
・ナフトピジル(α1D受容体阻害薬、商品名:フリバス、アビショット)
・β受容体遮断薬
非選択的β遮断薬は心機能抑制作用による高血圧や労作狭心症に用いられる。なお、心不全や気管支喘息の患者に対しては禁忌である。
・プロプラノロール(商品名:インデラル)
・カルテオロール(商品名:ミケラン)
・ピンドロール(商品名:カルビスケン)
・β1受容体遮断薬
非選択的β遮断薬との違いは、気管支喘息患者に禁忌でないという点である。ただし、β2遮断作用が全くないというわけではないので、慎重に投与する必要がある。
・メトプロロール(商品名:セロケン、ロプレソール)
・アテノロール(商品名:テノーミン)
・α、β受容体遮断薬
β遮断薬は心不全患者に禁忌である。しかし、これには例外があり、この例外がカルベジロール(商品名:アーチスト)である。
心不全患者では心臓を酷使してしまうため、心臓が疲れ切ってしまう。そこでカルベジロールが使用される。カルベジロールのβ遮断作用によって心機能を抑制し、疲れ切った心臓の機能を回復させる。
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