ベンゾジアゼピン系薬、バルビツール酸系薬
ベンゾジアゼンピン系薬とバルビツール酸系薬
ベンゾジアゼンピン系薬とバルビツール酸系薬であるが、それぞれ似たような作用をし、下のような目的で使用される。
ベンゾジアゼピン系薬:催眠、抗不安、抗けいれん、筋弛緩作用
バルビツール酸系薬:催眠、鎮静、抗てんかん、全身麻酔作用
これらの薬はGABAA受容体に作用する。GABAA受容体はCl-を放出し、細胞内にCl-が流入する。これによって催眠作用などを示すようになる。
Na+が細胞内に流入することで脱分極を起こし、神経に電気信号が伝わる。Cl-は見てのとおり、Na+と逆の電荷をもっている。そのため、Cl-が細胞内に流入することで電気信号が伝わりにくくなる(過分極)。これにより、催眠作用などを起こさせるのである。
ベンゾジアゼピン系薬とバルビツール酸系薬はそれぞれ以下のような構造をしている。
バルビツール酸系薬はレム睡眠を抑制するが、ベンゾジアゼピン系薬はその抑制が少ないことが特徴である。なお、ベンゾジアゼピン系薬は視床下部、大脳皮質に作用し、バルビツール酸系薬は脳幹網様体に作用する。
ベンゾジアゼピン系薬(BZ) にはトリアゾラム(商品名:ハルシオン)、ブロチゾラム(商品名:レンドルミン)、フルニトラゼパム(商品名:サイレー、ロヒプノール)、クアゼパム(商品名:ドラール)などがある。「~ゼパム」「~ゾラム」という名前がくればベンゾジアゼピン系薬である。
なお、トリアゾラムは超短時間型薬物であるが、副作用として前向性健忘が有名である。
それに対し、バルビツール酸系薬にはフェノバルビタール(商品名:フェノバール)、ペントバルビタール(商品名:ラボナ)などがある。「~ビタール」とつけばバルビツール酸系薬である。
☆バルビツール酸系薬はベンゾジアゼピン系薬に比べて毒性が強く、選択性が低い。そのため、睡眠薬・抗不安薬としてバルビツール酸系薬が実際に使われることは少ない
・非ベンゾジアゼピン系薬 (非BZ系薬)
ベンゾジアゼピン系薬ではないが、ベンゾジアゼピン結合部位のω1受容体に作用することで催眠作用を表わす薬物としてゾルピデム(商品名:マイスリー)、ゾピクロン(商品名:アモバン)がある。
睡眠と脳波
ベンゾジアゼピン系薬、バルビツール酸系薬には催眠作用があり、不眠症などに使用される。脳波は睡眠時と覚醒時で形が異なっている。
下に睡眠時と覚醒時の脳波の様子を示す。
睡眠時には振幅の高い波が観測される。この脳波が高振幅徐波である。それに対し、覚醒時には振幅の低い波が観測される。これが、低振幅速波である。
抗不安薬
ベンゾジアゼピン系薬やバルビツール酸系薬とは無関係であるが、タンドスピロン(商品名:セディール)は抗不安作用を示す薬物であり、5-HT1受容体アゴニストである。
スポンサードリンク
カテゴリー
スポンサードリンク