数年後の自分は全くの別人?
体はさまざまな代謝・分解を受けて再生されています。これは皮膚や爪、毛髪を思い浮かべれば、容易に想像つくのではないでしょうか。
しかし、一度完成されればそれ以上再生されれない臓器があります。例えば、それが脳であったり神経であったりします。
脳や神経は一度障害を受けたなら、残念ながら二度と再生することはありません。
ただし、これを分子レベルで見ると異なってきます。たしかに組織レベルでは変化がありませんが、分子レベルでは脳や神経の細胞でさえ活発に代謝を受けているのです。
入れ替わる分子
私たちの体を構成しているタンパク質などをもっと細かく見れば、ただの分子の集まりです。そして、これらを構成する分子は頻繁に入れ替わっています。
今、ここに新築の家があると想像してください。新築のためこの家は新しいですが、時間がたつと当然ながら老朽化してきます。そのため、この家に住むためには家を新しくしなければなりません。
ここでは、少しずつ家を新しいものに変えていくという方法を取ります。つまり、少しずつ「木」を交換していくのです。
家自体の外観は変わりません。しかし、それを形作っている材料は常に新しいものへと交換されています。そして、これと同じことが細胞でも起こっています。それは、脳や神経の細胞も例外ではありません。
脳や神経の細胞はそれ以上増えることはありません。しかし、その細胞を構成している分子は絶えず入れ替わっているのです。
ヒトで考えると、数年経てば体を構成している分子はすっかり入れ替わっています。つまり見た目は同じ人でも、「そのヒトを構成する60兆個細胞は全く別のもの」ということになるのです。
そのため、たとえ見た目は同じだとしても「数年後の自分は全く別のもの」ということができるのです。
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