どのような薬が売れるのか
薬といってもさまざまな種類の医薬品が存在します。それらの医薬品の中で、どのような種類の薬がよく売れるかを紹介したいと思います。
世界での傾向
医薬品でよく売れるものは必ずある共通点があります。それは、「先進諸国で問題となっている疾患に対する薬」ということです。
先進国で問題となる疾患には高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病などの生活習慣病があります。つまり、これら生活習慣病関係の薬がよく売れるのです。
なぜ先進国で需要が高い医薬品がよく売れ、途上国で需要の高い医薬品が売上の上位に来ないのでしょうか。
世界人口で見れば途上国の人口は先進国の人口よりも圧倒的に多いはずです。それにもかかわらず、先進国で需要の高い医薬品が売れ続けています。
理由は簡単で、先進国の方がお金を多くもっているからです。逆にいえば途上国の人々はお金がなくて薬を買うことができないのです。
先進国の人々が容易に買うことのできる医薬品であっても、途上国の人々にとっては高くて買えないのです。
そのため製薬企業は抗生物質など開発には消極的ですが、発毛剤や生活習慣病など先進国で需要の高い薬の開発には積極的です。
売れる医薬品
2005年の世界の医薬品売上を見てみると「脂質異常症(高脂血症)」の薬が売り上げ第一位でした。
この薬はアメリカのファイザーという会社の医薬品です。
化合物名:アトルバスタチン 、 商品名:リピトール
この医薬品が2005年の一年間でどれだけ売れたかですが、なんと約1兆5000億円です。みなさんは、この売上をすごいと思わないでしょうか。
薬の開発はものすごいお金がかかりますが、一旦ヒットすればそれ以上のお金が返ってくるのです。
日本での傾向
日本で売れる医薬品も生活習慣病関係の薬が上位に来ます。しかし、先進国の中で日本で売れる医薬品にはある特徴があります。
それは、「抗生物質の売上が上位に来る」ということです。これは日本の悪い特徴の一つです。
抗生物質を多く処方しているということは、それだけ耐性菌の出現確率が高くなるということです。
私たちはかぜにかかり病院にいくと薬を処方してもらいます。そして、多くの場合それらの薬の中には抗生物質が入っています。
医師の中にはかぜには抗生物質が効かないことを知っていて、患者を安心させるために抗生物質を処方している人もいます。
抗生物質は必要なときだけに使わなければいけません。そうでないと、耐性菌によって本当に必要なときに抗生物質が効かないという事態に陥ってしまいます。
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