薬の市販後調査について
新薬が承認された後、当然ながらさまざまな場面で使用されるようになります。このとき、新薬が売り出された後も副作用や相互作用などの追跡調査を行います。
この追跡調査を「市販後調査」といいます。
それでは、なぜわざわざこのような市販後調査をするのでしょうか。
市販後調査の意味
薬は承認される前に「治験」といって、少数のヒトに対して薬を投与します。このときに、薬の効果や安全性を調査するのです。
それに対し、市販後調査では治験で発見されなかった副作用がないかを調べます。
もしかしたら、治験では発見できなかった副作用が表れるかもしれません。治験では発見できなかった、他の薬との相互作用が見つかるかもしれません。
妊婦のヒトでは、胎児に対して重篤な作用を起こすかもしれません。また、年齢の幼い子供に対しても重篤な作用を起こすかもしれません。
市販後調査の重要性
治験では発生頻度の低い副作用や相互作用を発見することが困難です。
実際、第三相臨床試験で実施される患者さんの数は数十人から数百人です。例えば、重篤な副作用の発生頻度が1%であるとすると、第三相試験を数十人で行った場合は副作用が見過ごされることがあります。
このように、実際に市場へ出ると臨床試験では発見できないような問題がたくさん報告されます。
そのため、薬の市販後調査は重要となります。
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