どんな薬にも副作用がある、「薬と毒」の話
薬には必ず副作用が伴います。薬は副作用が強いと結果として毒になることも考えられます。
それでは、薬と毒にはどのような違いがあるのでしょうか。これを見極めることができれば、薬についてより深く理解できるようになります。
薬と毒
みなさんは「薬と毒物は全く別物」と考えている人もいるかもしれません。しかし「薬と毒物」は必ずしも違うものではありません。人々の命を救う薬でも使用法を間違えれば必ず毒になります。
ガンの痛みを和らげるモルヒネは有効に使用すれば、ガンの末期患者にとってかなり有用な鎮痛剤となります。しかし、モルヒネは快感を生む薬として悪用されることもあり、使用方法を間違えれば死ぬことだってあります。
ただし、モルヒネを薬として正しく使用する場合であれば依存性などの問題はほぼありません。
また、抗生物質を思い浮かべれば薬と毒の関係が理解しやすいかもしれません。抗生物質は細菌を殺しますが、ヒトにはほとんど影響を与えないように設計されています。
抗生物質は、ヒトにはほとんど害がなく、細菌には毒となるのです。
薬と毒は紙一重かもしれません。どんな薬でも使用法を間違えれば毒になり得るからです。薬は毒にもなり得るその強力な作用があるために薬として作用し、私たちの生活を改善してくれます。
よく副作用のことばかりを取り上げて薬は危険という人もいます。薬の副作用で苦しんでいる人がいるのは確かに事実です。しかし、それ以上の命が薬によって助かっていることを忘れてはいけません。
副作用の事を考慮した上でも、薬と上手につきあうことは大切です。
なお、副作用はなにもかもが悪いわけではありません。薬局で処方された薬の説明書を見れば分かりますが、副作用として眠気を促す作用がある薬は少なくないです。
車の運転などを職業とする人は別として、体を休めないといけない人にとって、この副作用はどちらかというと歓迎されるべきです。
サリドマイド事件
薬害として有名な話にサリドマイド事件があります。この薬を飲んだ妊婦さんは奇形児を生んでしまうという話です。ただ、実は適切に使いさえすればサリドマイド自体はかなり有用な薬です。
現在では、このサリドマイドが再び復活しようとしています。
サリドマイドには光学異性体があります。サリドマイドを構成する成分は全く同じですが、その構造は異なっていました。
片方のサリドマイドには催眠作用があります。しかし、もう一方には催奇形性があり、この作用が社会問題を引き起こしました。この事件は、結果として薬が毒物となってしまった例の一つです。
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