オーファンドラッグ(希少疾病医薬品)
オーファンドラッグとは、別名で希少疾病医薬品とも呼ばれます。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病関連の薬は対象患者数が多いため、多くの薬が出回っています。しかし、いわゆる難病と呼ばれる患者数が少ない重篤な病気の場合、採算性の問題で治療薬が少ないのが現状です。
そのため、これら患者数の少ない病気に対する治療薬をオーファンドラッグ(希少疾病医薬品)と呼び、対象患者数が多い他の薬と区別します。
オーファンドラッグとして指定を受けると、製薬企業は国から助成金を受け取って医薬品開発を行います。「税制上の優遇」や「優先的な審査」など、対象患者数の多い医薬品の開発に比べてさまざまな特例措置があります。
そのため、「医薬品開発の成功率」という視点だけで考えれば、「オーファンドラッグの開発」を行う方が「対象患者数の多い病気の治療薬開発」よりも開発の成功率は高いです。
・ウルトラオーファン
オーファンドラッグの中でも、対象患者数が1000人未満に対する治療薬をウルトラオーファンと呼びます。
オーファンドラッグの開発では国から製薬企業に対して助成が行われます。ウルトラオーファンの開発を行う場合、さらに開発費用の助成率を上げるなどの支援が受けられます。
これにより、日本において1000人未満の患者数しかいなかったとしても、医薬品の研究開発が行われるように支援がされています。
これらのウルトラオーファンの例として、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)の治療薬があります。この病気は生涯に渡って炎症や発熱に苦しめられる疾病であり、日本における患者数は30人程度です。
この治療薬としてカナキヌマブがあり、カナキヌマブは申請から8ヶ月という異例の早さで承認された医薬品です。カナキヌマブは2011年9月に承認されましたが、この時の通常の新薬が承認審査にかかる期間は約20ヶ月でした。
このように、治療を行う上で特に必要となるオーファンドラッグは審査の上でも優遇されます。
なお、この薬は8週間ごとに投与する必要があり、承認当時の薬代は一回の治療で143万5880円の費用となる薬でした。
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