人によって、薬の効き方が異なる
性差による効き目の違い
薬の効き目は種差や性差によっても異なります。この違いをマウスを例にとって見てみたいと思います。
毒物の一つとしてストリキニーネがあります。この毒物をマウスに投与して死ぬかどうかを見るという実験です。なお、このときの投与量は腹腔内投与2.0mg/kgです。
結果は以下の通りです。
性別 |
死亡率 |
オス |
0% |
メス |
100% |
このように明らかな差がでます。これはオスとメスで毒物を代謝する酵素が違うために起こります。
なお、オスの代謝酵素をあらかじめ阻害してみると、当然ながら死亡率は100%になってしまいます。
アルコールの例
アルコールをいくら飲んでも大丈夫な人もいれば、少し飲んだだけですぐに顔が赤くなってしまう人もいます。
これはアルコールを代謝する酵素に違いがあるからです。
アルコールはアセトアルデヒドを経て酢酸へと代謝されます。このとき発生するアセトアルデヒドが悪酔いの原因となります。
「アセトアルデヒド→酢酸」の代謝にはアルデヒド脱水素酵素(ALDH)が関わっており、多くはこの酵素が「よく働くか、あまり働かないか」で酒の強い弱いが決まります。
そして酒の強い人と弱い人を比較した場合、アルコールに対する感受性は何百倍も違うと言われています。
そして、これとまったく同じことが薬に対しても起こります。
つまり、薬1錠服用する場合と薬何百錠服用する場合で、人によっては効果が同じであることがあります。
実際に何百倍も効果が違うことは稀かもしれません。しかし、「ヒトによってはそれだけ薬の効き目が違うことがある」ということを認識する必要があります。
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