薬ってなに?:医薬品の概要を知る
あなたは「薬は病気を根本的に治療してくれるもの」と思っていないでしょうか。現在、私たちの生活は多くの部分を薬に依存しています。特に高齢者になるほどその傾向は強いです。
薬によって病気が治ったりガンと闘い人々の命を救ったりする薬があります。けれどもその一方では薬物乱用に使用される場合など、問題となる薬もあります。
薬とは
薬は化学物質の集まりです。薬はヒトと長いつきあいであり、その中でも漢方薬は有名です。
漢方薬は生薬(しょうやく)と呼ばれる効果を表す成分をいろいろと混ぜ合わせます。この漢方薬を服用することで病気を治療し、人々の生活に役立ちました。
また生薬に含まれる活性物質を元にすることで、西洋医学にも大きな影響を与えています。
西洋薬は単一の化学物質を用いるので多くは特定の病気だけを治療し、その作用は強力です。一方、漢方薬は有効成分が多く、多彩な効果が期待でき、広範囲の病気に有効です。
また、漢方薬は体内を正常な方向へ調節する作用があり、免疫力を高める効果があります。
薬の作用する場所
筋肉や脳などの特定の部位には受容体と呼ばれるものがあります。この受容体に薬の成分がくっついたり、受容体にくっつくべき物質を阻害したりすることで作用を表します。
例えば、コーヒーを飲むと眠気が収まる有名な話があります。これはコーヒーに含まれるカフェインという物質によるものです。
私達が眠気を感じている時、「眠るように促す物質」が受容体に作用しているために眠く感じます。コーヒーに含まれるカフェインは、この眠るように促す物質の働きを抑えます。コーヒーを飲むと眠くなくなるのはこのためです。
薬は病気を完全に治すもの?
薬は必ずしも根本的に病気を治すためには使用されません。むしろ病気を根本的には治さない薬の種類が圧倒的に多いです。
考えて頂きたいのですが、高血圧の薬を飲んで高血圧が治るでしょうか? 糖尿病の薬を飲むだけで糖尿病が治るでしょうか?
答えとしては、薬を飲むだけでは病気は完治しません。
高血圧の薬を飲めば確かに血圧は下がります。糖尿病の薬を飲めば血糖値は下がります。しかし、これらは一時的なもので薬の摂取をやめれば、再び血圧は高くなるし血糖値も高くなります。
これらの薬は病気を予防したり改善したりするためにあります。病気を治すには患者さん自身の努力が必要になります。
病気を根本的に治す薬は、菌を殺す抗菌剤くらいではないでしょうか。
薬の重要性
医療現場において薬はとても重要な役割を果たしています。
例えば、手術をする時の事を考えてみてください。患者さんを手術するには鎮痛剤が必要です。手術後には抵抗力が低下しているので感染症の薬が必要です。また、菌の侵入を防ぐために消毒をしないといけません。
このように、医学の発展には薬学の発展も大きく関わっているのです。
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