薬と環境
薬は環境とも大きく関わっています。
私が大学の入学試験を受けるときに小論文を書かされました。その小論文の問題文は英語で書かれており、内容は要約すると次のようなものでした。
「現在、環境問題が深刻になっている。そこで、薬学の立場から環境問題に対してどのように対処すればよいか論ぜよ。」
この問題文の中にはいくつかのキーワードがありました。そのキーワードとはsoil(土)、water(水)、air(空気)、food(食物)です。「薬と環境を考える」ではこれらのキーワードにgene(遺伝子)を付け加えて議論したいと思います。
廃水処理
私がこの小論文を書くときに一番初めに思い浮かんだテーマが廃水処理でした。昔の日本では工場廃水をそのまま捨て、大学の研究室で使われた排水はそのまま流しに捨てるのが普通の時代でした。
そのため、多くの環境問題を引き起こしました。その代表が公害であり水俣病、イタイイタイ病、四日市喘息などが有名です。環境問題が深刻になって初めて、私達は環境の大切さを知ったのです。
人間は問題が起こって初めて気づきます。しかし、問題が起こるとそれを改善しようとするのもまた人間なのです。その証拠に、今では工場廃水は驚くほどきれいに浄化されています。実験で使用された排水も決して流しには捨てないようになりました。
薬学の立場
実際には、廃水処理のテーマを小論文に書いていません。理由は一つです。小論文の問題には「薬学の立場から論ぜよ」と書かれていたからです。
上で述べた排水問題は別に薬学の立場だけでなくても、工学部や理学部など他の学部にもあてはまる共通の問題だからです。
薬は化学物質です。この化学物質が環境にどのように影響してくるかを述べないといけません。
ただ薬と一言で言っても、薬はヒトを治療するだけのものではありません。動物に使用する薬もあれば植物に使用する薬物もあります。
環境へのアプローチ
薬学は薬を中心とする学問です。薬は病気を治療しなければいけません。病気を治療するには、その病気がどのようにして発症するかを知ることが重要です。
病気の中でも環境の悪化によるものも考えられます。例えば、ぜん息はかぜとは全く異なり、これには大気の環境も大きく関わっています。他にも私達が普段食べている食肉はどうでしょうか。この食肉が抗生物質漬けにされているとしたらどうでしょう。
さまざまな化学物質が環境に与える影響を知ることで、病気を防ぐことができるかもしれません。
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