純度不足による医薬品の供給停止
ジェネリック医薬品は良い点ばかりではありません。実際にはデメリットも存在しますが、「ジェネリック医薬品の問題点」に関してはほとんど知らされていないのが現状です。
そこで、ここでは敢えて「ジェネリック医薬品の問題点」に焦点を当てていきたいと思います。
純度不足による供給停止
ジェネリック医薬品では規格外のために回収となる商品が比較的多く見受けられます。将来は製剤技術が向上して少なくなるのかもしれませんが、「先発医薬品と効果が同じ」と言うのであれば出来るだけ早く改善が望まれます。
これら規格外のために回収となる商品の理由は様々ですが、高血圧治療薬に関して、2013年にジェネリックメーカー8社が絡む医薬品の回収・出荷停止が起こりました。
この件は先発医薬品で「レニベース」と呼ばれる薬に関してでであり、この薬は血圧を下げることで高血圧を治療します。レニベース自体は有効成分の特許が既に切れており、多くのジェネリック医薬品が参入しています。
そのような中、規格外の商品の発見により、レニベースに関する多くのジェネリック医薬品で回収が行われました。
この中にはジェネリック医薬品の大手も含まれており、レニベースのジェネリック医薬品として半分程度のシェアがありました。このようなシェアの大きい製品が全て回収・出荷停止に陥ったため、医療機関も混乱してしまったのです。
※この時、先発医薬品のレニベースは回収になっていません。
この時の製品回収の理由ですが、「有効成分の純度不足」によるものです。つまり、薬の効果を発揮する有効成分の含量が不足していました。
なぜこのような自体に陥ったかと言うと、原因は不明のままです。元々の有効成分が不安定である医薬品であるため、「製品を作る過程で成分が分解していったのではないか」と言われています。
なお、先発医薬品としてレニベースを販売している企業に確認したところ、特許を使った特別な製剤化は施していないとの事です。
有効成分は真似できても、細かいノウハウまでは真似できない
いくら有効成分を真似することは出来ても、製造工程までは完全に真似することが出来ません。特許に関係なくこのような違いが生まれたのであれば、今回の例は「医薬品の製造工程での技術力の差」が出てしまった例かもしれません。
ちなみに、有効成分が不安定である薬はたくさん存在します。例えば、「胃粘膜の保護」や「緑内障の治療」、「血行障害の改善」など、多くの生理作用を示す物質群であるために医薬品として広く応用されているプロスタグランジンと呼ばれる成分があります。
ここでは、「薬として多くの場面で応用されるプロスタグランジンという物質がある」と認識できれば問題ありません。
このようなプロスタグランジンですが、「成分自体が不安定である」という問題点があります。薬として売り出すためには、安定性も確保しなければいけません。時間経過と共に有効成分が分解していき、純度不足に陥ってはいけないのです。
そのため、不安定な物質の製造・販売を行っている企業では、これら不安定物質に対する特許やノウハウを多数保有していることが想像できます。この部分に関しては、ジェネリックメーカーは真似が難しいです。
※当然、ジェネリック医薬品でもオリジナルな医薬品と変わらないくらい素晴らしいものはあります。しかし、ジェネリック医薬品には「問題点」があることも忘れないでください。
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