病原性大腸菌・サルモネラ
病原性大腸菌感染症
○腸内細菌科エシェリキア属
○通性嫌気性グラム陰性桿菌
○症状…下痢、サルモネラ様症状など
大腸菌は通常無害な菌である。しかし、尿道や呼吸器など普段はいない場所に大腸菌が存在すると、病原性を示すようになってしまう。これが異所性感染である。
病原性を起こす大腸菌はそれぞれ次のように分類される。
○毒素原性大腸菌(ETEC)
○腸管出血性大腸菌(EHEC)
○腸管侵入性大腸菌(EIEC)
○腸管病原性大腸菌(EPEC)
○腸管凝集付着性大腸菌(EAEC)
・毒素原性大腸菌(ETEC)
耐熱性エンテロトキシン、易熱性エンテロトキシンのいずれかまたは両方を産生する大腸菌である。
・腸管出血性大腸菌(EHEC)
ベロ毒素(志賀様毒素)を産生することによって病原性を示す。
・腸管侵入性大腸菌(EIEC)
大腸粘膜に菌が侵入することによって病原性を起こす。
・腸管病原性大腸菌(EPEC)
サルモネラ症に似た症状を起こす。
・腸管凝集付着性大腸菌(EAEC)
サルモネラ症に似た症状を起こす。
サルモネラ感染症
サルモネラ属による感染症はチフス症と食中毒の二種類に分けることができる。サルモネラ族の中でチフス症を起こすのが腸チフスとパラチフスであり、食中毒を起こすのがネズミチフス、腸炎菌などである。
・腸チフス、パラチフス
○腸内細菌科サルモネラ属
○通性嫌気性グラム陽性桿菌
○感染経路…経口感染(汚染した食物や飲み水)
○症状…腹痛、発熱、関節痛、頭痛、食欲不振など
この菌によるサルモネラ症は伝染性と危険性が高く、経口感染する。また、腸チフスから回復したとしても、数ヶ月~1年以上かけて菌を排泄することがある。
そのため、たとえチフス症が治ったとしても、他の人に菌を感染させてしまうおそれがある。
チフス菌は汚染食物とと一緒に腸管から腸管膜リンパ節に侵入し、マクロファージに感染する。このマクロファージが血液に移行し全身を循環ことで、腸チフス菌は全身に移行する。なお、腸チフスはヒトでのみ自然感染する。
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