ボツリヌス菌・ウェルシュ菌
ボツリヌス菌
○クロストリジウム属
○通性嫌気性グラム陽性桿菌
○毒素…ボツリヌス毒素
○症状…四肢の麻痺
○芽胞形成菌
ボツリヌス菌はボツリヌス中毒を起こす菌である。産生する毒素は神経毒素のボツリヌス毒素である。芽胞を形成する菌であり、芽胞は耐熱性で100℃3~5時間の加熱に耐えることができる。死滅させるには120℃10分間の加熱が必要である。
ボツリヌス中毒には「食餌性ボツリヌス中毒、乳児ボツリヌス症、創傷ボツリヌス症、感染型ボツリヌス症」の4種類がある。
創傷ボツリヌス症、感染型ボツリヌス症によるボツリヌス中毒はまれである。つまり、ボツリヌス中毒で重要となるのは食餌性ボツリヌス中毒、乳児ボツリヌス症の二つである。
ボツリヌス中毒は食品に含まれているボツリヌス毒素を摂取することによって起こる。毒素を摂取することによって運動神経麻痺が起こり、多くの場合呼吸筋麻痺によって死亡する。
乳児ボツリヌス症は生後3週間~8ヶ月の乳幼児に発症するボツリヌス中毒である。これはハチミツが芽胞を媒介するためであると考えられている。つまり、乳幼児がハチミツを食べるとボツリヌス中毒に陥ることがあるのである。乳児ボツリヌス症では運動麻痺症状などが起こる。
ウェルシュ菌
○クロストリジウム属
○嫌気性グラム陽性桿菌
○毒素…エンテロトキシン
○症状…四肢の麻痺
○芽胞形成菌
ヒトや動物の大腸内常在菌であり、この菌による疾患にはガス壊疽や感染毒素型中毒がある。ガス壊疽は筋肉組織に対して急激な壊死を引き起こす。
このときの壊死は気泡(ガス)を伴うが、これは菌がガスを発生させるためである。 なお、ガス壊疽の治療には高圧酸素療法、外科的治療が行われる。
食中毒は菌が産生するエンテロトキシンによって起こる。腸内に入ると菌は芽胞を形成する。この芽胞を形成するときに毒素(エンテロトキシン)を産生するのである。
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