統合失調症の治療
昔は精神病患者が社会から隔離されることは珍しくありませんでした。
現在では精神病である統合失調症の症状を軽減する薬が開発されています。そのため、精神病の患者は治療の対象となっています。
また、この病気は不治の病気ではありません。
しかし、依然として日本では他の先進諸国と比べこれらの患者に対する誤解や偏見があることも事実です。これらの病気に対する正しい知識を持つことが重要です。
精神病の患者は「脳内の神経伝達物質」の異常によって起こります。これらの異常によって病気が引き起こされます。精神病の患者は、「たまたま脳内の化学物質に異常があった」というだけなのです。
現在、生活習慣病として問題となっている病気の一つに「糖尿病」があります。これは体内のインスリンというホルモンの量が少ない、または体がインスリンに反応しないなどの異常があるからです。
体内の化学物質がなんらかの原因で異常を起こし、その結果として病気が発生するのです。その意味では精神病も糖尿病も違いがありません。もしインスリンではなく、脳内の神経伝達物質の異常であれば精神病にかかっているということになるのです。
キーワード:ドパミン
統合失調症病の症状
統合失調症は国や人種に関係なく思春期~成長期に約1%の確率で発症します。統合失調症は珍しい病気ではありません。
この病気には幻覚や妄想、社会的なひきこもりなどがあります。幻覚は薬物や心理的操作によっても発生します。
この病気の発症には、遺伝的要因も関係があるとされています。しかし、全く同じ遺伝子をもつ一卵性双生児でも、同じようにこの病気が発症する確率は50%です。つまり、この病気は予防や治療の可能性があることを意味しています。
薬の作用機構
精神病に関係する薬は、脳内の神経伝達物質に作用することで効果を発揮します。脳内の神経伝達物質の作用を強めたり弱めたりすることで精神病を治療します。
これら精神病の薬は実際に効果があります。そのため精神病の患者にとっては精神病の薬が必要になります。また、症状が改善してきたからといって勝手に薬の服用をやめると症状の悪化をまねく原因となります。
なぜなら、これらの薬は病気の症状を抑える薬であって、病気を根本的に治す薬ではないからです。薬を飲めば必ず症状は改善します。だからといって病気が完全に治っているわけではないのです。
病気を完全に治したいと思うなら途中で薬の使用をやめるのではなく、完全にその病気が治るまで薬をきちんと飲んで完治に備えなければいけません。
統合失調症の原因
統合失調症の原因には脳内の神経伝達物質である「ドパミン」が関係しています。ドパミンの作用が活発なため、統合失調症を起こしてしまうのです。
統合失調症の薬の多くは、このドパミンの作用を抑制します。なお、麻薬の摂取などによって脳内のドパミンの作用が高まると精神病の状態が引き起こされることが知られています。
また、病気の治療には薬だけでなく家族の協力も大切になってきます。家族は精神病のことをきちんと知り、温かく迎えることが大切です。家族による敵意で患者の病気が再発することがあるからです。
統合失調症の薬の副作用として「パーキンソン症候群」の心配があります。パーキンソン病では震えがおこり、体が動かしづらくなります。
パーキンソン病は脳内のドパミン量が減少するために発病します。そして、統合失調症の薬の多くはドパミンが作用するのを妨げます。
統合失調症の治療としてドパミンの作用を妨げる働きがあるため、副作用としてパーキンソン病のような症状が出ることがあります。逆にパーキンソン病の治療薬はドパミンを補うので、統合失調症のような症状がでるかもしれません。
現在では、この問題はほとんど解決されています。
なお「副作用としてパーキンソン症候群の心配がある」と記述したのは、これらの症状が薬による一時的なものであるためです。つまり、薬の副作用でパーキソン病のような症状が出たとしても、薬の服用を止めれば元に戻ります。
この場合、脳のドーパミン産出の機能が根本的に脱落しているわけではないので「パーキンソン病」と区別されます。
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