放射性物質(セシウムやプルトニウム)を排出する薬
原発事故が起こった場合、その周辺に放射性物質が散乱すると予想されます。これら放射性物質が体内に入ると、人体に対して悪影響を与えてしまいます。
そこで、世の中にはセシウムやプルトニウムなど放射性物質を体外へと排出する薬が存在します。これらの薬は経口投与や静脈内に注射することで体内汚染を軽減することができます。
セシウムやプルトニウムを除去する薬
放射性物質の一つとしてセシウムがありますが、このセシウムを除去する薬としてラディオガルダーゼ(商品名)があります。
薬を経口投与することによってセシウムを吸着し、セシウムが体内に吸収される過程や体外への排泄を促進させることができます。薬がセシウムを吸着しているので、尿と一緒に排泄することができます。
また、静脈内注射によってプルトニウムを排出する薬も存在します。このプルトニウムを除去する薬としてジトリペンタートカル(商品名)とアエントリペンタート(商品名)があります。
これらの薬はその構造式の中にカルシウム(Ca)や亜鉛(Zn)が存在しています。このカルシウムや亜鉛に対して、プルトニウムが置き換わることによって尿中へ排泄されやすくなります。
このように、世の中には放射性物質による体内汚染の軽減を目的として、セシウムやプルトニウムの排泄薬が存在します。
なお、これらの薬はセシウムやプルトニウムの排泄薬であることから、この薬を服用した患者さんの尿からは効率よく放射性物質が検出されるようになります。そのため、放射性物質が含まれる尿は厳重に扱う必要があります。
これらの理由から、プルトニウムなどの放射性物質が含まれた尿を管理することができる緊急被爆対応の医療機関でのみ使用することができます。
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