背を伸ばす薬(小人症治療薬)
「あと、もう少し背が高ければ……」
男性であれば、このように思う人も多いのではないでしょうか。もし背を伸ばす薬が世の中にあれば……。
結論から言いますが、現在では背を伸ばす薬があります。そして、医療現場では普通に使われています。それでは、背を伸ばす薬とはどのような薬なのでしょうか。
・成長ホルモン
「背が伸びる」とは「骨が伸びる」ということです。骨が伸びることによって、身長も高くなっていきます。そして、この身長を伸ばすホルモンとして有名なものに成長ホルモンがあります。
成長ホルモンは子供の時期に働きかけることで、骨を伸ばしていきます。つまり、身長を高くする働きがあります。
それでは、この成長ホルモンの働きが弱い場合どうなるのでしょうか。実は、成長ホルモンがあまり分泌されていない状態であると身長が低くなってしまいます。
このように、成長ホルモンの量が少ないことで起こる低身長の病態を小人症と言います。
それでは、このような成長ホルモンを補うことができれば低身長の状態を回避することができるはずです。このような考えに基づいて、子供の時期の低身長状態を改善する薬としてヒト成長ホルモン製剤があります。
つまり、成長ホルモンは背を伸ばす薬として応用されています。
・ただし、成人は背を伸ばすことができません
前述の通り、成長ホルモン製剤によって背を伸ばすことができます。しかし、成人では身長を伸ばすことができません。
子供の時期では、骨の先に「骨が伸びていく部位」が存在します。この部位を骨端線と呼びます。成長ホルモンがこの骨端線に作用することによって、骨が伸びて背が高くなっていきます。
しかし、成人になるとこの骨端線が閉じてしまいます。つまり、成人してからは成長ホルモンを投与しても背を伸ばすことができなくなってしまいます。
なお、骨端線が閉じているにも関わらず成長ホルモンが過剰に分泌され続けていくと、顎が突き出したり唇が肥大したりします。顔や手足、内臓の一部などが肥大してしまうのです。
このように、成人になって骨端線が閉じても成長ホルモンが分泌され続けていると顔の形が変わってしまいます。このような病気を先端巨大症と言います。
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