シワを伸ばし、小顔を実現する薬(ボツリヌス毒素)
若い時はハリのある肌であったとしても、年齢を重ねるごとにシワも増えていきます。老化現象である以上、これはある程度仕方のないことでもあります。
ただ、美容整形などではこれを薬によって改善させることがあります。どのような薬を使うかというと、「毒素」を応用します。顔のシワを改善するために、ボツリヌス毒素を使用することがあります。
・ボツリヌス毒素
ボツリヌス菌が生み出すボツリヌス毒素は、自然界に存在する毒素として、最も毒性が強いと言われています。食中毒の原因になることもあり、一歳未満の乳児では「乳児ボツリヌス症」が知られています。乳児ボツリヌス症を防ぐため、一歳未満の乳児にハチミツを与えてはいけません。
このボツリヌス毒素は四肢に麻痺を起こします。重篤な状態に陥ることになれば、呼吸に必要な筋肉まで弛緩させることで死に至らしめます。
このように、筋肉を弛緩させる(筋肉を緩める)働きをするボツリヌス毒素ですが、現在ではこの作用を医療に応用しています。
例えば、脳性麻痺の患者さんでは筋肉が過剰に緊張しています。そこで、ボツリヌス毒素によって筋肉を緩めてやります。これによって、筋肉の緊張を緩めて動きをスムーズにします。
そして、この筋肉を緩める作用は美容にも応用されています。ボツリヌス毒素を用いれば、メスを使わずにシワを伸ばしたり、目を大きくしたりすることが可能です。小顔にすることもできます。このように、考え方によっては毒素の作用を逆手に取ることで、治療薬として応用することも可能です。
ただし、ボツリヌス毒素による美容効果はずっと続くものではなく、3~8ヶ月で元の状態に戻ってしまいます。
美容目的でボツリヌス毒素の使用を検討する場合、「ボツリヌス毒素を使うことで、メスに頼らずに治療する方法」か「外科的手術を行って、永続的に持続させる方法」かを選ぶ必要があります。
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