統合失調症の経過
統合失調症の一般的な経過としては、次の四つに分けて考えます。
① 前駆期
病気を発症する前段階です。睡眠障害や感情の起伏など、統合失調症を発症する何らかの兆候があらわれます。
② 急性期
幻覚・幻聴、妄想、奇妙な行動などの陽性症状が表れます。ただし、本人は「自分は病気である」という認識はありません。
急性期は数週間の期間で症状が表れます。
③ 休息期
主に陽性症状が表れる急性期が過ぎると、今度は意欲・集中力の低下や疲労感が強くなる陰性症状が表れるようになります。
この時期にストレスが加わると急性期に逆戻りしてしまう可能性があります。そのため、精神状態が不安定な時期でもあります。
休息期は数週間から数ヶ月の期間経過をたどります。
④ 回復期
回復期では少しずつ病気の症状が治まっていきます。この時期から外出したい気持ちが出たり、本を集中して読めたりするようになります。
ただし、認知障害やコミュニケーションの支障などの症状が長く続くこともあります。回復期では数ヶ月から何年もの時間を経る必要があります。
統合失調症における治療のポイント
統合失調症の治療は、薬を使った治療を中心に行います。急性期から回復期にかけて治療の基本となるのが薬物療法です。
症状が治まっていたとしても服用の中断は再発の大きなリスクとなります。
薬を適切に継続服用している場合と勝手に服用を中断した場合では、適切に継続服用している場合の方が再発率を5分の1まで低下させることができます。
ただし、薬だけの治療だけでなく精神療法も行われます。精神療法では、患者さんの心理・精神面をサポートします。病気の症状への理解や面接を通すことで、精神的な安定を行います。
また、社会復帰のためにリハビリテーションも重要となります。統合失調症の急性期を過ぎた後にリハビリテーションが行われ、認知障害などを初めとする機能障害からの回復を目指します。
リハビリテーションでは作業療法士の指導のもとで行う園芸や料理などによって、充実感や達成感を体験させます。また、対人コミュニケーションを円滑に行うためのトレーニングであるSST(ソーシャルスキル・トレーニング)なども行われます。
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