統合失調症の症状(陽性症状と陰性症状)
統合失調症の症状としては、主に陽性症状と陰性症状の二つに分けられます。ただし、もっと細かく分ければ、ここに認知障害が加わって三種類になります。
それぞれの症状としては以下のようになります。
・陽性症状
統合失調症によって表れる陽性症状は、この病気特有の症状です。そして、この陽性症状を簡単に考えれば「本来、心の中にないものが存在する」となります。
もともと心の中にはないものが、聞こえたり見えたりすることによって、幻聴や被害妄想などが表れます。脳内の神経伝達物質に異常が起こっているため、正常な人にはないものが存在するようになります。
これら陽性症状は統合失調症を発症して間もない頃や再発時に多く見られます。
陽性症状 |
特徴 |
幻覚 |
・誰かが自分の悪口を言っている |
妄想 |
・非現実的なことで悩む |
他人に 支配されやすい |
・自分と他人との境界線が曖昧になってしまう |
考えがまとまらない |
・話の内容が次々に変わる |
異常な行動 |
・極度に緊張することで、衝動的な行動を起こす |
・陰性症状
陽性症状に対して、陰性症状では「本来、心の中にあるはずのものが存在しない」と考えることができます。
正常な人では感情や意欲がありますが、統合失調症による陰性症状ではこれらもともと備わっているものがない状態となります。そのため、社会的引きこもりや無関心などの症状が表れてしまいます。
なお、これら陰性症状は統合失調症を発症してから少し経過した後(急性期の後)に多く見られます。統合失調症によって長期的に表れる症状として、この陰性症状があります。
陰性症状 |
特徴 |
感情の減退 |
・喜怒哀楽が乏しくなる |
思考能力の低下 |
・言葉の数が極端に少なくなる |
コミュニケーション への支障 |
・他人との係わり合いを避ける |
・認知障害
脳で判断する認知機能としては記憶や注意、思考、判断などがあります。統合失調症は脳の神経伝達物質に異常が起こることで陽性症状や陰性症状を発症しているため、これら認知機能に対しても機能障害が起こっています。
認知機能が障害されているために、注意力が散漫になってしまったり作業能力が低くなったりします。
認知障害 |
特徴 |
選択的注意の低下 |
・わずかな刺激や情報に対しても反応してしまう |
過去の記憶や 類似点との 比較が難しい |
・間違った情報を結びつけてしまう |
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