骨粗しょう症の分類(原発性と続発性)
骨粗しょう症は骨密度が低下することで骨がスカスカになってしまう病気です。骨が脆くなると骨折が起こりやすくなりますが、骨粗しょう症の症状はそれだけではありません。
そのため、骨粗しょう症がどのようにして発症するかなどの病態を知ることが重要となります。これらの病態を知ることで、より深く骨粗しょう症を理解することができます。
骨粗しょう症の分類
骨粗しょう症の分類としては「原発性骨粗鬆症」と「続発性骨粗鬆症(二次性骨粗鬆症)」の二つが存在し、それぞれ以下のような特徴があります。
・原発性骨粗鬆症
閉経や老化に伴って骨量の減少が起こる骨粗しょう症を原発性骨粗鬆症と言います。女性にとって閉経を避けることはできませんし、同じように男女問わず老化を避けることもできません。
例えば、女性ホルモンの一種であるエストロゲンは骨量維持に関わっています。しかし、閉経後などの更年期ではエストロゲン分泌が大幅に減ってしまいます。
その結果として、骨量も大幅に減少します。また、老化では代謝機能の低下によって骨量が減っていきます。
原発性は「第一の」という意味があり、その要因自体が病気の原因となります。そのため、他の病気の結果として起こる「続発性」や「二次性」とは区別されます。
なお、妊娠による骨粗しょう症も原発性骨粗鬆症の一種となります。これは、母体のカルシウムが胎児に移行することで骨が脆くなった結果、骨粗しょう症が起こります。
・続発性骨粗鬆症(二次性骨粗鬆症)
骨粗しょう症が他の要因によって引き起こされることがあります。これを、続発性骨粗鬆症(二次性骨粗鬆症)と言います。
他の要因とは、病気によるものや薬の副作用によるものがあります。これら他の因子が原因となって引き起こされる骨粗しょう症が続発性骨粗鬆症です。そのため、これらの因子を取り除けば骨粗しょう症から回復する可能性も高いです。
このような続発性骨粗鬆症の原因としては、ホルモンの異常や薬物(主にステロイドの内服)、栄養によるものなど、さまざまな理由が存在します。
・なぜ、ステロイドが骨粗しょう症を引き起こすか
ステロイドを口から服用した場合、副作用として骨量の低下が起こることが知られています。この直接的な機序としては、骨芽細胞の抑制があります。
骨芽細胞は骨代謝において骨の形成に関わっているため、この細胞が抑制されることによって骨密度が急速に下がっていきます。
また、ステロイドは「性ホルモンの減少」や「腸管からのカルシウム吸収の抑制」などの働きをします。これらのさまざまな作用が総合的に起こることによって、間接的にも骨量を減少させます。
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