骨粗しょう症が起こる理由と原因
骨は常に壊されていると同時に新しく作られています。骨粗しょう症ではこのバランスが崩れてしまっています。
健康な状態では「骨が壊される骨吸収」と「骨が作られる骨形成」の速度がほぼ一定のために、骨密度が保たれた状態となります。
しかし、骨粗しょう症では何らかの原因によって「骨が壊される骨吸収」の速度の方が優位となっています。
この結果、骨が壊されていくスピードの方が速くなってしまって、骨の密度が少なくなってしまいます。つまり、骨がスカスカになって骨折が起こりやすくなります。
このように、骨粗しょう症では骨代謝のスピードに変化が起こっています。
・骨粗しょう症の要因
骨の密度に関わる因子としては血液中のカルシウム濃度や骨代謝に関わるホルモンなどがあります。これらが関係しあうことによって、骨吸収・骨形成のバランスが保たれます。
しかし、ここに老化や閉経、ホルモンの異常などの因子が加わると骨代謝のバランスが崩れてしまいます。
以下に骨粗しょう症の因子を記します。
因子 |
特徴 |
高齢・女性 |
・「高齢や女性であること」は共に危険因子となる |
骨折経験がある |
・他の場所を骨折するリスクが高い |
ステロイドを使用 |
・経口ステロイドが骨折の危険を高める |
飲酒・喫煙 |
・骨折のリスクを高めることが知られている |
年齢と閉経における骨量変化
骨粗しょう症は骨の強度が落ちてしまう病気です。骨密度は20歳から30歳代がピークになると言われており、年齢と共にその強度は下がっていきます。そのため、高齢になるほど骨粗しょう症のリスクが高くなります。
特に女性の場合、男性に比べて元々の骨量が少ないです。さらに、骨量の維持にはエストロゲン(女性ホルモン)が大きく関わっていますが、女性では閉経後にエストロゲンの分泌が減少してしまいます。
これによって、女性では閉経と共に骨量が大幅に減っていきます。
男性は女性のように「更年期による急激な女性ホルモンの減少」が原因で骨粗しょう症に陥ることはありません。しかし、加齢などその他の要因によって骨粗しょう症を発症することがあります。
なお、骨粗しょう症を予防するためには、次の三つを行うことが大切になります。
① 若い時:食事と運動で可能な限り骨量を増やす
② 中年以降:骨量の維持を行う
③ 老年期:骨量の減少を抑え、骨折を予防する
骨粗しょう症における骨量とホルモン
エストロゲン(女性ホルモン)は骨量維持に大きく関わっています。そして、骨代謝にはエストロゲン以外にも、その他のホルモンが関わっています。
このようなホルモンとしてカルシトニンや副甲状腺ホルモン(パラトルモン)があります。
カルシトニンは甲状腺から分泌されるホルモンであり、骨吸収を抑制します。つまり、破骨細胞に作用することで骨のカルシウムが血液中に放出される過程を抑えます。
それに対して、副甲状腺ホルモンはカルシトニンの逆の働きをします。つまり、破骨細胞を活性して骨芽細胞を抑制します。これによって、骨吸収が促進されます。
このように、骨代謝にはホルモンによる働きも関わっています。
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