高尿酸血症による腎障害:尿路結石
尿酸結晶は関節に蓄積しやすいですが、次に蓄積しやすい場所として腎臓があります。腎臓に尿酸の結晶が溜まっていく事により、腎臓の機能が落ちてしまうのです。
腎臓では、血液をこしとることによって尿を作ります。この時、腎臓の中で尿酸が濃縮されるため、一時的にも尿酸値が他の組織よりも高い状態になります。そのため、腎臓の中に尿酸の結晶が蓄積しやすくなります。
尿酸結晶が蓄積すると、腎臓の機能が落ちてしまいます。腎臓の機能が低下すると、尿酸を排泄できなくなるために尿酸結晶が溜まりやすくなります。このような悪循環により、慢性腎不全に陥ることもあります。
慢性腎不全は別名でCKDとも呼ばれます。
このような高尿酸血症の患者さんでは尿路結石が見られることもあります。尿路結石とは、腎臓や尿管、膀胱など尿の通り道で石のような結石が出来てしまう病気を指します。
高尿酸血症に陥ると、尿が酸性に傾くようになります。尿が酸性の状態は尿酸が析出しやすい環境でもあります。血液中の尿酸が溶けきれなくなると結晶として関節などに沈着していきますが、これが尿路であれば結石として石のような物質が生成されてしまいます。
このような尿路結石は、痛風患者の10~30%で確認されるとも言われています。
尿路結石を改善するためには
前述の通り、血液中の尿酸値が高い状態であると、尿が酸性に傾いてしまいます。酸性であるほど尿酸が溶けにくくなるため、その分だけ尿酸が析出してしまいます。
そこで、尿をアルカリ性に傾けるようにします。すると、尿中に存在する尿酸が析出しなくなります。それだけでなく、酸性の尿をアルカリ性に傾けることによって尿路結石を溶かすこともできるようになります。
医薬品の中には尿をアルカリ性に近づける薬があり、尿路結石の予防や治療に使用されます。この種類の薬を尿アルカリ化薬と呼びます。
このように、尿をアルカリ性に傾けることによって、痛風や高尿酸血症の合併症である尿路結石を改善することができます。なお、これは食物に関しても同様です。
食物には「尿を酸性に傾ける食物」と「尿をアルカリ性に傾ける食物」があります。これを踏まえた上で、痛風や高尿酸血症の患者さんでは食事に気をも付けなければいけない事が分かります。
プリン体を多く含む食事を避けることが重要ですが、「尿をアルカリ性に傾ける食物」を意識することも大切となります。
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