小建中湯の効能:小児の虚弱体質、腹痛、便秘、夜尿症
腹痛や慢性胃炎、消化不良、便秘など、胃腸が関わる疾患は数多く存在します。また、胃腸の調子が悪くなると、これが原因で疲労倦怠や神経症、肝炎などに繋がることもあります。そこで、これらの症状を改善するために使用される薬として小建中湯(しょうけんちゅうとう)があります。
小建中湯には、胃腸の働きを良くする作用があります。胃を丈夫にすることで、虚弱体質で疲れやすい状態を解消させるのが小建中湯です。
小建中湯(しょうけんちゅうとう)と体質
漢方薬では、その人の見た目や症状を重要視します。検査値だけではなく、患者さんの様子から「どの薬を使用するのか」を決定するのが漢方薬です。小建中湯であれば、次のような人が有効です。
・虚弱な体質
・疲れやすい
・血色が優れない
・腹痛がある
・手足がほてる
・冷えを有する
・頻尿、多尿がある
特に小児に対して、小建中湯が使用されます。大人とは違い、小児では風邪を引きやすく病気に罹りやすいです。つまり、虚弱体質の人が多いです。
小建中湯には、「小児の虚弱体質」「疲労倦怠」「慢性胃腸炎」「小児夜尿症(おねしょ)」「夜なき」などに対して適応があります。このことからも、小児で頻用されやすい漢方薬であるといえます。小建中湯は子供の体質改善に有効なのです。
なお、漢方の古典である「傷寒論(しょうかんろん)」や「金匱要略(きんきようりゃく)」に小建中湯が記されてあります。両者はどちらも漢方の原点ともいえる古典です。
小建中湯の作用
胃腸の状態を改善させる小建中湯には、生薬(しょうやく)と呼ばれる天然由来の成分が含まれています。これら生薬としては、以下の5種類が配合されています。
・桂皮(けいひ)
・芍薬(しゃくやく)
・生姜(しょうきょう)
・大棗(たいそう)
・甘草(かんぞう)
桂皮(けいひ)には、体を温めて発汗・発散させる作用があります。胃腸を強くする生薬としても知られています。また、芍薬(しゃくやく)には痛みを和らげる働きがあります。このように多彩な作用をする生薬を組み合わせることで、胃腸を丈夫にするのです。
漢方での「中」とは、消化吸収に関わる器官のことをさします。これを立て直すことを「建中」といいます。また、大建中湯(だいけんちゅうとう)という漢方薬があるため、これと対比させて小建中湯という名前になったといわれています。
小建中湯の使用方法
小建中湯を投与するとき、成人では「1日15gを2~3回に分けて、食前または食間に経口投与する」とされています。食間とは、食事中という意味ではなく、食事と食事の間を意味します。つまり、食後から2時間経過した、胃の中が空の状態を指します。
これら小建中湯としては、
・小児の虚弱体質
・疲労倦怠
・神経質
・腹痛、慢性胃腸炎、便秘
・小児夜尿症(おねしょ)、夜なき
などの症状に有効です。小児に使用するとき、虚弱で胃腸が弱いことに加えて、「お腹のくすぐりに弱い」「腹直筋の緊張(お腹を触ると筋肉がギュッと緊張する)」「まつ毛が長い」などの人は小建中湯が効きやすいです。
このような特徴により、特に小児に対して頻用され、虚弱体質を改善させたり腹痛や胃炎、便秘、夜尿症(おねしょ)などを改善させる漢方薬が小建中湯です。
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