アルカロイド
アルカロイドとは?
アミノ酸を合成原料として作られる植物成分で、窒素原子を含み塩基性を示す。植物のアミノ酸経路で合成される。
「生薬名: 科名 成分名」 とする。
○トロパンアルカロイド
コカ: コカノキ科 コカイン
ロート根、ベラドンナ根、ダツラ、ヒヨス: ナス科
アトロピン、スコポラミン [両方とも副交感神経遮断薬]
○ピペリジンアルカロイド
ザクロ皮 (タンニンを含む): ザクロ科
イソペレチエリン [虫駆除剤]
○ピリジンアルカロイド
タバコ: ナス科 ニコチン
檳榔子(ビンロウジ): ヤシ科 アレコリン
○キノリチジンアルカロイド
マトリン: マメ科 苦参
○フェネチルアミンアルカロイド
麻黄: マオウ科 エフェドリン
半夏: サトイモ科 エフェドリン
枳実、陳皮、ゴシュユ: ミカン科 シネフリン
○イソキノリンアルカロイド
阿片: ケシ科 モルヒネ、コデイン、パパベリン、ノスカピン
延胡索: ケシ科 コリダリン
厚木: モクレン科 マグノクラリン
辛夷: モクレン科 コクラウリン
クラーレ: ツヅラフジ科 ツボクラリン [筋弛緩剤]
防己 : ツヅラフジ科 シノメニン [鎮痛薬]
コロンボ: ツヅラフジ科 パルマチン [苦味健胃薬]
細辛: ウマノスズクサ科 ハイゲナミン
附子(ブシ): キンポウゲ科 ハイゲナミン
黄連: キンポウゲ科 ベルベリン [胃腸薬]
黄柏: ミカン科 ベルベリン [胃腸薬]
吐根: アカネ科 エメチン [アメーバ赤痢に使用]
コルヒクム: ユリ科 コルヒチン [痛風の鎮痛薬]
○インドールアルカロイド
センソ: ヒキガエル科(両生類) Bufotenine (ブフォテニン)
カラバル豆: マメ科 Physostigmine (フィゾスチグミン) [副交感神経興奮薬]
麦角: バッカクキン科(子嚢菌) Ergotamine (エルゴタミン)、Ergometrine (エルゴメトリン)
ラウオルフィア: キョウチクトウ科
Reserpine (レセルピン) [高血圧症]、Ajimaline (アジマリン) [抗不整脈]
ニチニチソウ: キョウチクトウ科
ビンブラスチン、ビンクリスチン(両方とも抗腫瘍薬)
ホミカ: マチン科 Strychnine (ストリキニーネ)
クラーレ: マチン科 C-curative Ⅰ(C-クラリン Ⅰ)
☆クラーレにはそれぞれマチン科クラーレとツヅラフジ科クラーレがある。
これは、クラーレがツヅラフジ科のChondodendoron属植物からとれるか、マチン科の
Strychnos属の植物からとれるかの違いである。
両方とも筋弛緩、運動神経末端麻痺作用を示す。
ゴシュユ: ミカン科 Evodiamine (エボジアミン)
釣藤鉤(チョウトウコウ): アカネ科 Hirstine (ヒルスチン)、Rhynchphlline (リンコフィリン)
○キノリンアルカロイド
キナ皮: アカネ科 Quinine (キニーネ) [抗マラリア薬]、Quinidine (キニジン) [抗不整脈]
喜樹果(キジュカ): ヌマミズキ科 Camptothecine (カンプトテシン)
植物性抗腫瘍薬
ビンクリスチン、ビンブラスチン インドールアルカロイド
カンプトテシン → イリノテカン キノリンアルカロイド
タキソール → タキソテール ジテルペン
ポドフィロトキシン → エトポシド、テニポシド リグナン
カンプトテシンからイリノテカンを合成して抗腫瘍薬とする。同じように、抗腫瘍薬であるタキソテールはタキソールからエトポシド、テニポシドはポドフィロトキシンから合成される。
誘導体
誘導体とは「ある化合物をもとにして新しい化合物を合成した時に、新しい化合物はもとの化合物の誘導体である」と表現する。
たとえば、イリノテカンはカンプトテシンの誘導体である。
○イミダゾールアルカロイド
ヤボランジ: ミカン科 Pilocarpine (ピロカルピン)
○プリン塩基
カカオ: アオギリ科 Teobromine (テオブロミン)、Caffeine (カフェイン)
細茶 : ツバキ科 Caffeine、Theophylline (テオフィリン)
Theophylline [気管支喘息] Caffeine [眠気、血管拡張]
○ジテルペンアルカロイド
附子: キンポウゲ科 Aconitine
○セルキテルペンアルカロイド
川骨: スイレン科 Nupharidine
○ステロイドアルカロイド
バレイショ: ナス科 Solanine
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