核酸、ヌクレオシド、ヌクレオチド
遺伝情報であるDNAはA(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)の組み合わせによって決定する。ただし、RNAの場合はチミンではなくU(ウラシル)である。
DNA中の塩基:アデニン、グアニン、シトシン、チミン
RNA中の塩基:アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル
このアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルのことを核酸と呼ぶ。A、G、C、T、Uの構造はプリン環とピリミジン環が基盤となっている。
プリン塩基:アデニン、グアニン ピリミジン塩基:シトシン、チミン、ウラシル
塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチド
ヌクレオシド
ヌクレオシドとは「プリン塩基のN9位(ナンバリングした数の9)、またはピリミジン環のN1位にN-グリコシド結合でデオキシリボースまたはリボースが結合したもの」である。
デオキシリボヌクレオシドはデオキシリボースが結合したのもで、リボヌクレオシドはリボースが結合したものである。
デオキシとはdeoxyと書き、酸素が抜けているという意味である。デオキシリボヌクレオシドはDNA、リボヌクレオシドはRNAの原料である
ナンバリングは核酸塩基と区別するため、糖には番号に´をつける。
アデノシンはAと表すがデオキシアデノシンの場合はdeoxyを表現するため頭にdをつけてdAと表す。同様にGはdG、CはdC、TはdT、UはdUとなる。
ヌクレオチド
ヌクレオチドとは「ヌクレオシドの糖にリン酸が結合したもの」である。
DNA:デオキシリボ核酸 (Deoxuribonucleic Acid)
RNA:リボ核酸 (Ribonucleic Acid)
アデノシン一リン酸はヌクレオシドであるアデノシンにリン酸が1つ結合している意味である。アデノシン一リン酸はAMP(Adenosine Mono Phosphate)とも表し、デオキシアデノシン一リン酸はdAMPと表す。
化学において1はmono、2はdi、3はtriと表す。よって、ATP(Adenosine Tri Phosphate)とはアデノシンにリン酸が3個結合したものである。
性質
・核酸塩基は紫外線を吸収する。300nmよりも短波長の光を吸収し、260nm付近が極大となる。
・合成ヌクレオチドは抗がん剤、免疫抑制剤などの薬として利用できる。
ポリヌクレオチド
リン酸ジエステル結合により、ヌクレオチドがポリマー形成したものである。
例 ジヌクレオチド pGpCpの化学構造
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