毒性評価
毒性評価の方法
毒性評価にはさまざまな方法がある。以下に毒性評価の方法を示す。
・LD50(半数致死量)
・ED50(半数作用量)
・NOAEL(最大無毒性量)
・NOEL(最大無影量)
・ADI(一日許容摂取量)
・TDI(一日耐容摂取量)
・VSD(実質安全量)
LD50とED50
ある化学物質の致死量を表す場合にはLD50が用いられる。LD50は単回投与におてい、一群の半分(50%)を殺す化学物質量である。
LD50の値によって以下のように取り扱われる。
毒物:LD50 → 30mg/kg以下
劇物:LD50 → 30~300mg/kg以下
普通物:LD50 → 300mg/kg以上
また、化学物質を投与したときに何らかの有害作用を示すとき、一群の半分(50%)に対して有害作用を引き起こさせる化学物質量をED50という。
NOAEL、NOEL
化学物質がいかなる有害作用を引き起こさない最大投与量をNOAELという。ED50では一群の半分で作用する量であるが、NOAELでは一群すべてに作用しない量である。
また、医薬品などの薬理作用を有する化学物質も含める場合はNOELを使用する。
ADI、TDI
食品添加物や農薬などに対し、ヒトが毎日そして一生摂取してもいかなる悪影響を及ぼさない一日量をADIをいう。
それに対し、環境汚染物質などヒトに対して全く無益なものに対し、ヒトが毎日そして一生摂取してもいかなる悪影響を及ぼさない一日量をTDIをいう。
・NOAELとADIの関係
ADIはNOAELを1/100した数値である。
動物とヒトでは種差があるため、この種差の量を考慮しなければならない。そのため、NOAELから1/10の量を取る必要がある。
また、アルコールに強い人もいれば弱い人がいるように、それぞれ個体差があるはずである。全てのヒトに対して影響がないようにしなければならないので、ここで化学物質の影響を受けやすい人に基準を合わせないといけない。そのため、個体差を考慮してここでもNOAELから1/10の量を取る必要がある。
なお、図で表すと下のようになる。
実質安全量
発がん性物質は低用量で投与してもがんの発生を確認することが出来ない。しかし、たとえ低用量であるとしても、その発がんの可能性を否定することが出来ない。これにより、実験による発がんの最低投与量を特定することができないのである。
そのため、動物実験によるデータから「発がん確率の10万~100万分の一」の値を求め、確率として捉えるのである。このときの化学物質量をを実質安全量とする。
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