ペプチド、タンパク質
ペプチド
アミノ酸の最も重要な反応はペプチド結合の形成である。アミノ酸のアミノ基とほかのアミノ基のカルボキシル基で縮合することで、ペプチド結合を形成する。ペプチドの一次構造はアミノ酸配列により決定する。
ペプチドは荷電した高分子である。pK値はアミノ酸とは違う。
N末端 側鎖 C末端
-NH3 -COO-、-NH3 -COO-
pIとは、そのペプチドの総電荷が0になるpHである。このとき、そのペプチドの陽イオンと陰イオンの濃度が等しくなっている。
このときのpI(等電点pH)はpK値の4.5と7.7の間にあることになる。よって、pI = (4.5 7.7)/2 となる。
pHが4.5のときは [ 2 1- ] と [ 2 2- ] の状態のペプチドの濃度が等しい状態で、pHが7.7のときは [ 2 2- ] と [ 1 2- ] の状態のペプチドの濃度が等しい状態と考えることができる。よって、pIの求め方は上に示したようになる。
一次構造の決定
1.いくつのペプチドでできているか。 2.ジスルフィド結合の有無。 3.ペプチドを小さくする。
大きなポリペプチドは適当な大きさに分解して分析する。
例、トリプシン Lys と Arg のカルボキシル基を切断する。
キモトリプシン Phe と Trp と Tyr のカルボキシル基を切断する。
例 Asp - Met - Leu - Phe - Met - Arg - Ala - Tyr - Gly - Asn
このペプチドをキモトリプシンで分解すると、
「Asp - Met - Leu - Phe」「Met - Arg - Ala - Tyr」「Gly - Asn」ができる。
ちなみに、このペプチドのpI値は6.1である。「pH、アミノ酸」のページのアミノ酸の表とペプチド中でのpK値の表を見比べてがんばって計算してほしい。
タンパク質
・タンパク質の構造
一次構造
一次構造とはペプチド中のアミノ酸がどのように並んでいるかである。
二次構造
二次構造ではペプチドがどのような立体構造をとるかであり、α-ヘリックス(らせん構造)やβ-シート(直鎖構造)などがある。
三次構造
ポリペプチド全体の三次元構造でα-ヘリックス、β-シートなどがどのように組み合わさるかにより決定する。
多くのタンパク質ではα-ヘリックスやβ-シート構造がはっきりわかる超二次構造を形成している。超二次構造とはタンパク質の中のアミノ酸配列とは関係なく共通に見られる特定の二次構造単位の組み合わせである。
下に超二次構造のモチーフを示す。
四次構造
二本以上のペプチド鎖がくっついたたんぱく質は四次構造をもつ。タンパク質の四次構造を形成しているペプチドの単位をプロトマーまたはサブユニットという。
ちなみに、ヘモグロビンはポリペプチドが4個あつまってはじめて機能するので四次構造をとっている。
フォールディング
タンパク質を形成するにあたり、二次構造をもつペプチド(α-ヘリックスやβ-シート)が形成される。このペプチド片が方向づけられ、合成されたタンパク質が機能を果たすことのできるドメインに育っていく。この過程をフォールディングという。
また、タンパク質のフォールディングを正しく行われるように制御するタンパク質にタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、プロリルシストランスイソメラーゼ、分子シャペロンがある。
・タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ
ジスルフィド結合の組み換えを促進して、S-S結合の再編成をする。
・プロリルシストランスイソメラーゼ
ペプチドの合成直後はトランス配置をもつが、10%ぐらいは立体障害の大きいシス配置をとってしまう。そのため変換反応を行う。
・分子シャペロン
シャペロニンはほどけたポリペプチド鎖に結合し、誤った会合(結合)や立体配置を形成しないようにしている。
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