耐性と依存性のメカニズム
耐性の獲得
通常、私達の細胞には適切な数の受容体が存在する。そして、受容体の数が適切であるため、適切な生体反応を起こすのである。
ところが、薬物によって「情報伝達物質を枯渇させる」または「アンタゴニストによって抑制している」という場合、受容体が誘導されることがある。情報伝達物質(メッセンジャー)による刺激が足りていないため、受容体を増やすことによって刺激を多く受け取ろうとするのである。
受容体数が増えるということは、それだけ情報伝達物質の刺激を受け取りやすくなるということである。そのため、いつもと同じ薬の量ではだんだん効かなくなってしまう。このようにして耐性を獲得するのである。
依存性と禁断症状
薬物の使用によって受容体数が増えた状態で、いきなり薬を止めてしまったら大変なことが起こる。受容体数の増加によって刺激を受け取りやすくなっているため、細胞が過剰に反応してしまうのである。これによって禁断症状が発生してしまう。
この禁断症状は受容体数が元通りの「適切な受容体の数」に戻るまで続いてしまう。そして、同時に「薬物を使用していた頃での通常の反応」に戻ろうとする誘惑に駆りたてられてしまう。これによって依存性が発生するのである。
スポンサードリンク
カテゴリー
スポンサードリンク