核酸化学
なぜ核酸を学ぶのか
核酸にはDNA、RNAがある。ヌクレオチドがリン酸エステルによって繋がった生体高分子が核酸である。その中で、核酸塩基は核酸(DNA,RNA)の構成要素である。
核酸塩基にはA(アデニン),G(グアニン),T(チミン),C(シトシン),U(ウラシル)がある。それぞれ、下のような構造をしている。
核酸を学ぶには理由がある。それは、核酸塩基を知ることで薬の開発につながるからである。
5-FU(5-フルオロウラシル)
例えば、消化器がんに使用する薬に5-FU (5-フルオロウラシル)がある。この薬はウラシルの5位の水素がフッ素に置換されている。
5-FUはチミジル酸シンターゼを阻害する。フッ素原子の大きさは、水素原子の大きさとほとんど同じである。
5-FUからサルベージ経路によって5-FdUMP(5-フルオロデオキシウリジル酸)が合成され、チミジル酸シンターゼが5-FdUMPを間違って取り込むのである。これによってチミジル酸シンターゼが阻害され、TMPの配給が止まってしまう。
TMPの合成阻害によって細胞増殖が止まり、最終的に細胞死となる。
なお、実際には体の中で代謝されて5-FUに変化するプロドラッグとして使用される。
核酸化学
5-FUの他にも、核酸の誘導体となる薬は多数存在する。
DNAポリメラーゼを阻害する薬もあれば、プリンヌクレオチド合成を阻害する薬もある。エイズ(AIDs)の原因となるHIVの増殖を阻害する薬の一つには、逆転写酵素阻害薬がある。
このように、核酸誘導体はさまざまな薬となる。そのため、核酸を学ぶことは重要なのである。
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