IUPAC命名法
IUPAC
有機化合物に名前をつけるときの基準となるのがこのIUPACである。
慣用名
慣用名とはIUPACの規則にしたがっていない名前で、例としてフェノール(phenol)やグルコース(glucose)などがある。しかし、簡単または基本的な化合物にはIUPAC命名法でも慣用名の使用が認められている。
数詞
IUPACの規則は最も長い炭素直鎖に数詞をつけて命名する。ただし、炭素がC1~C4まではメタン(methane)、エタン(ethane)、プロパン(propane)、ブタン(butane)とする。
アルカンの命名
(1)数が小さくなるようにつける。
(2)異なる置換基があればアルファベット順に命名する。ただし、数詞のdiやtriなどは関係ない。
アルケンの命名
(1)アン -aneをエン -eneに変える。
エチレン、プロピレンは慣用名
(2)二重結合の番号をできるだけ小さくする。ただし、二重結合が一箇所のときは注意が必要。また、二重結合の方を優先させる。
(3)E/Z表示
cis-trans異性体が存在する場合、E/Z表示が推奨される。EかZかは優先順位で決定する。原子番号の大きいものであるほど、優先順位が高くなる。優先順位が高いもの同士が同じ側ならZ、反対側ならEをつける。
アルキンの命名
(1)アン -aneをイン -yneに変える。
(2)二重結合と三重結合が存在するときは、不飽和結合ができるだけ小さい番号になるようにつける。また、両末端から数えて同じ番号が二重結合と三重結合につく場合は二重結合に最小の番号をつける。
シクロアルカンおよびシクロアルケンの命名
・環状の化合物で炭化水素の前にシクロ cyclo-をつける
・置換基や位置番号はアルカン、アルケンと同様である
アルキルの命名
(1)アン -aneをイル-ylに変える
(2)番号は遊離原子価のある炭素原子の番号が1となる。
エン -eneはエニル -enyl、イン -yneはイニル -ynyl、ジエン -dieneはジエニル -dienylとなる。
芳香族化合物の命名
下に示した7種のみ慣用名が認められている。他の炭環式炭化水素はこの7種の誘導体として命名する。
例
練習問題
下の化合物に名前をつけましう。
1番は簡単です。cyclohexa-1,3-dieneです。
2番を見て3-methyl-4-propylhexaneと思った人は間違いです。
一番長い炭素直鎖が母体となるので、答えは4-ethyl-3-methylheptaneです。
3番は少し特殊です。1-chloro-3-(2-methylpentyl)benzeneとなります。
スポンサードリンク
カテゴリー
スポンサードリンク