アルデヒド・ケトン
ヒドリド還元剤、グリニャール試薬との反応
アルデヒドやケトンはテトラヒドリドアルミン酸リチウム(LiAlH4)やグリニャール試薬などの求核試薬と反応する。
水和物、ヘミアセタール・アセタールの生成
アルデヒドやケトンは酸触媒存在下で水やアルコールなどの中性基質と反応して水和物またはヘミアセタール・アセタールを生成する。
・水和物の生成
・ヘミアセタール・アセタールの生成
アセタールの生成反応はカルボニル基の保護としても働く。例えば、分子内にカルボニル基とカルボキシル基の両方をもつ化合物があり、カルボキシル基だけを還元したいとする。
このときカルボニル基をアセタールによって保護し、カルボキシル基だけを反応させた後で加水分解によって元のカルボニル基に戻す。
ウィッティッヒ反応
ウィッティッヒ反応はリンイリドなどのウィッティッヒ試薬によってアルデヒドやケトンからアルケンを得る反応である。ウィッティッヒ試薬はトリフェニルホスフィンとハロアルカンを反応させることで生成するホスホニウム塩を強塩基と反応させることで得ることができる。
リンイリドはアルデヒドやケトンに付加してベタインを形成する。その後、オキサホスフェタンを経てアルケンとホスフィンオキシドを生成する。
エノールとエノラート
エノールとは、炭素-炭素結合の二重結合の炭素にヒドロキシル基が結合した化合物である。また、エノラートとはエノールのヒドロキシル基の水素原子がプロトンとして解離した化合物である。
塩基中でアルデヒドやケトンと反応させるとエノラートが生成する。これは、塩基で処理することでカルボニル基のα炭素にある水素(α水素)がプロトンとして引き抜かれるからである。
α炭素の水素の引き抜きは酸性でも行うことができる。また、炭素-炭素結合にカルボニル基が結合している形をケト形と言い、エノールの形をエノール形と言う。
ケト形とエノール形は平衡状態で存在しているが、一般に平衡はケト形に傾いている。
バイヤー・ビリガー酸化
過酸のO-O結合は切れやすく、アルデヒドやケトンに付加すると転移を起こす。その結果、アルデヒドやケトンからカルボン酸やエステルを得ることができる。この反応をバイヤー・ビリガー酸化という。
アルデヒド・ケトンのハロゲン化
アルデヒドやケトンにα炭素が存在する場合、ハロゲンと反応させるとα位の炭素にハロゲンが挿入された化合物を得ることができる。酸触媒ではケト形がエノール形となりハロゲンと反応することでモノハロゲンとなる。
酸触媒の場合はモノハロゲンからさらにエノール化をしてジハロゲンやトリハロゲンが生成することはない。
一方、塩基触媒存在下ではエノラートとなってハロゲン化が進み、トリハロゲンまで反応が進行する。ハロゲンが三つ結合した炭素は脱離能が高く、ヒドロキシル基などによって置換することができる。
ヨードホルム反応はこのアルデヒド・ケトンのハロゲン化を利用した反応であり、最終的にCHI3の黄色沈殿を見ることによって確認する。
アルドール縮合
前述の通り、水酸化物イオンなどの塩基触媒が存在するとアルデヒドはエノラートを生成する。しかし、アルデヒドとエノラートの平衡はアルデヒド側に傾いている。
だがエノラートはアルデヒドのカルボニル基を攻撃して、アルドールを生成する。この平衡はアルドール側に傾いている。
アルドールは高温にすると脱水する。この反応はエノラート経由して反応する。
アルドール縮合は組み合わせによって4種類の化合物を生成するので効率的ではない。しかし、ベンズアルデヒドのようなα水素をもたない化合物と、塩基存在下でエノラート化できるアルデヒドを反応させると一種類の化合物だけを得ることができる。
また分子内に二つのホルミル基がある場合、分子内でアルドール縮合が起こる。
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