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   二元配置分散分析法、Friedman検定

 独立多群と関連多群
独立多群は一つの要因によって分類されるが、関連多群は二つの要因によって分類される。関連多群で一番典型的な例は時間による変化である。

0 1 2 3
濃度a 100 90 80 73
濃度b 100 80 70 60
濃度c 100 60 45 34


   

ただし、この場合で薬剤の濃度が濃すぎると下の図のように変化してしまう。

   

この図では0→1の一つのポイントでは変化があるが、1→2→3でほとんど変化がない。このような作用を相互作用といい、実際の検定をする場合は相互作用を考慮しなければならない。

しかし、相互作用を考慮すると計算がかなり面倒になるのでここでは省略する。


 二元配置分散分析法(パラメトリック法)
関連多群で二元配置分散分析法をするかFriedman検定をするかは、Bartlett検定で「各群の分散が等しい」と判断されるかどうかで決定する。

「各群の分散が等しい」ならば二元配置分散分析法で検定し、「各群の分散が等しくない」ならばFriedman検定で検定する。ただし、関連多群の場合は行・列で二回のBartlett検定が必要。

・仮説の設定
帰無仮説(H0):「各群で差がない」と仮定する。
対立仮説(H1):「各群で差がある」と仮定する。

・確率を求める
統計量を求めるには、平均値,総平均を求める必要がある。

B1 B2 Bc 平均値
A1 1
A2 2
   
Ar r
平均値 1 2 c  
 総平均=…

平均値,総平均を求めたら、これらの値を使って行間変動SA、列間変動SB、総変動STを計算する。下にそれぞれの式を示す。(c=列の群数、r=行の群数)

・行間変動

偏差平方和SA

 

自由度dfA=r-1

・列間変動

偏差平方和SB

 

自由度dfB=c-1

・総変動

偏差平方和ST

 

自由度dfT=r・c-1


行間変動、列間変動、総変動の偏差平方和と自由度を求めると、そこから誤差変動を計算する。その後、分散値を計算して分散比Fを求める。

  偏差平方和 自由度 分散 分散比F
行間変動 SA dfA=r-1 sA2=SA/dfA FA=sA2/sE2
列間変動 SB dfB=c-1 sB2=SB/dfB FB=sB2/sE2
誤差変動 SE=ST-SA-SB dfE=dfT-dfA- dfB sE2=SE/dfE
総変動 ST dfT=r・c-1    

行間の差の検定の場合、自由度dfA(=df1), dfE(=df2)でF分布表からFαを求めて計算したF値と比べる。また、列間の差の検定の場合は自由度dfB(=df1), dfE(=df2)のF分布に従う。

・判定
1≦F≦Fαのとき、P>0.05となる→帰無仮説を棄却できない。
F>Fαのとき、P<0.05となる→帰無仮説を棄却する。

………………………………………………………………………………………………………………

 例題
A,B,C高校で進学を希望する大学の調査を行った。そのときD,E,F,G大学にはそれぞれ次の数の生徒が希望した。このとき、大学によって人気の違いがあるといえるか。また、高校によって希望する大学に偏りがあるか検定せよ。

D大学 E大学 F大学 G大学 平均値 分散
A高校 8 5 7 10 7.5 4.3
B高校 3 1 3 7 3.5 6.3
C高校 6 3 2 5 4 3.3
平均値 5.7 3 4 7.3    
分散 6.3 4 7 6.3    
 r=3,c=4,総平均=5
(注:このデータは便宜的に作ったもので、実際のデータではない)

・行に注目
帰無仮説(H0):高校によって希望する大学に偏りがない。
対立仮説(H1):高校によって希望する大学に偏りがある。

・列に注目
帰無仮説(H0):大学の希望に差がない。
対立仮説(H1):大学の人気に差がある。

・Bartlett検定
帰無仮説(H0):各群の分散は均一である
対立仮説(H1):各群の分散は均一でない

・行に注目
M,Cを計算するとM=0.31,C=1.15でX2=0.27である。自由度df=3-1=2のX2分布表より、X20.05=5.991となる。

X2<X20.05なので、P>0.05となり帰無仮説を棄却できない → 各群の分散は均一である

・列に注目
M,Cを計算するとM=2.48,C=1.21でX2=2.05である。自由度df=4-1=3のX2分布表より、X20.05=7.815となる。

X2<X20.05なので、P>0.05となり帰無仮説を棄却できない → 各群の分散は均一である


行・列の分散が均一なので二元配置分散分析法を行う。

・二元配置分散分析法
○行間変動を求める

 
   =4(7.5-5)2+4(3.5-5)2+4(4-5)2
   =38

自由度dfA=r-1=3-1=2

○列間変動を求める

 
   =3(5.7-5)2+3(3-5)2+3(4-5)2+3(7.3-5)2
   =32.3

自由度dfB=c-1=4-1=3

○総変動を求める

 
   ={(8-5)2+(5-5)2+(7-5)2+(10-5)2+}
    {(3-5)2+(1-5)2+(3-5)2+(7-5)2+}
    {(6-5)2+(3-5)2+(2-5)2+(5-5)2+}
   =38+28+14=80

自由度dfT=r×c-1=3×4-1=12-1=11

行間変動、列間変動、総変動から誤差変動を求めて分散分析表にまとめると下のようになる。

  偏差平方和 自由度 分散 分散比F
行間変動 SA dfA=r-1 sA2=SA/dfA FA=sA2/sE2
38 2 19 11.9
列間変動 SB dfB=c-1 sB2=SB/dfB FB=sB2/sE2
32.3 3 10.8 6.75
誤差変動 SE=ST-SA-SB dfE=dfT-dfA- dfB sE2=SE/dfE
9.7 6 1.6
総変動 ST dfT=r・c-1    
80 11    

・行に注目
F分布表より、dfA=2, dfE=6のときF0.05=19.33

F=11.9>5.14=F0.05より、P<0.05となり帰無仮説を棄却できる。よって、「高校によって希望する大学に偏りがある」ということができる。

・行に注目
F分布表より、dfA=3, dfE=6のときF0.05=8.94

F=6.75>4.76=F0.05より、P<0.05となり帰無仮説を棄却できる。よって、「大学の人気に差がある」ということができる。

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 Friedman検定(ノンパラメトリック法)
Bartlett検定で「各群の分散が等しくない」と判定されたら二元配置分散分析法ではなく、Friedman検定を用いる。Friedman検定では順位の付け方が2通りある。

・仮説の設定
帰無仮説(H0):「各群で差がない」と仮定する。
対立仮説(H1):「各群で差がある」と仮定する。

・確率を求める
○行(要因B)を検定する場合
列(要因A)の各群ごとに順位をつける。その後、順位を足してRiを求める。
(行数をk,列数をnとする)

○列(要因A)を検定する場合
行(要因B)の各群ごとに順位をつける。その後、順位を足してRiを求める。
(行数をn,列数をkとする)

   

Riを求めたら、下の式によって統計量X2rを求める。

 

確率を求めるとき、群数kによって求め方が異なる。下にそれぞれの確率の求め方を示す。

k≦4のときFriedman検定表から求める
・判定
P≧αのとき帰無仮説を棄却できない。
P<αのとき帰無仮説を棄却する。

k>4のとき → X2rは近似的に自由度df=k-1のX2分布に従う → X2分布表
・判定
X2≦X2αのとき、P≧αとなり帰無仮説を棄却できない
X2>X2αのとき、P<αとなり帰無仮説を棄却する

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 例題
マウスに薬剤Xを投与し、血糖値を観察した。投与前後で血糖値が変化したといえるかどうか検定せよ。ただし、各時間での分散は均一でないとする

投与前 投与直前 1時間後 2時間後 3時間後
a 162 60 88 143 160
b 160 50 112 136 156
c 150 100 135 149 152
d 155 92 85 115 148
(注:このデータは便宜的に作ったもので、実際のデータではない)

帰無仮説(H0):投与前後で血糖値に変化がない。
対立仮説(H1):投与前後で血糖値に変化がある。

・計算

投与前後での血糖値の変化を見るので行(時間)に注目する。まず、列(マウス)ごとに数値の小さい順に順位をつける。そして、順位を群ごとに足してRiを求める。

投与前 投与直前 1時間後 2時間後 3時間後
a 5 1 2 3 4
b 5 1 2 3 4
c 4 1 2 3 5
d 5 2 1 3 4
Ri 19 5 7 12 17
(行に注目するので、n=4,k=5となる)

Riを求めたら、下の式によって統計量X2rを求める。

 

k>4なので、計算したX2r値は近似的に自由度df=k-1=5-1=4のX2分布に従う。X2分布表より、X20.05=9.488である。

X2r=14.8>9.488=X20.05なので、P<0.05となり帰無仮説を棄却できる。つまり、「投与前後で血糖値に変化がある」ということができる。