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役に立つ薬の情報~専門薬学

ニューロンの働き

 

神経は信号を伝える役割を果たしている。もし、神経が切断されれば全く痛みを感じなくなる。それと同時に運動などもできなくなる。これは信号が脳まで送られなくなるからである。

 

 興奮の伝達
筋肉に電気的な刺激をすると、筋肉は収縮したあと弛緩する。この過程を攣縮(れんしゅく)とよぶ。ただし神経を刺激してもすぐに攣縮が起こるわけではなく、攣縮が起こるまでにわずかに時間がかかる。神経を刺激してから攣縮が起こるまでの時間を潜時とよぶ。

 

神経は刺激を受けると信号を発生する。これを興奮とよぶ。

 

興奮の伝導は神経の電位変化によって伝わる。つまり神経の一部が電気的にマイナスになり、それが伝わっていくことで興奮が伝わる。筋肉や神経などの細胞が興奮したときに生じる電位変化を活動電位とよぶ。

 

また、神経や筋などの一本の繊維の活動電位をインパルスとよぶ。

 

 興奮伝導
一度活動電位が生じるとその電位はすぐ隣の部分を興奮させ、神経に沿って伝わっていく。

 

有髄繊維では髄鞘が存在するが、髄鞘は電気抵抗が大きいためランビエ紋輪をとびとびに伝わることになる。興奮がランビエ紋輪をとびとびに伝わることをとびとび伝導または跳躍伝導という。

 

 とびとび伝導

 

髄鞘のない無髄繊維では神経を伝わる速度が4m/s(イカの無髄繊維)であるが、有髄繊維では伝導速度が無髄繊維に比べかなり速くなり、その速度は40m/s(カエルの有髄繊維)である。

 

 神経の変性
神経が切断されると、その部分から末端に向かって変性が起こり、消失してしまう。これをウォーラーの変性とよぶ。しかし、切断された後はすぐに再生が始まる。

 

しかし神経が切断された部分が細胞体に近い場所であると、再生が起こらないだけでなく細胞体に
向かって変性が起こり、ついには細胞体が消失してしまう。これを逆行変性とよぶ。神経細胞は高度に分化した細胞なので、復活することはない。

 

 神経の変性

 

切断された神経が再生していくということは、再生するために必要な栄養が細胞体から送られているということである。この細胞体から神経末端に向かう物質の流れを軸索輸送という。

 

 シナプスの伝達
興奮が神経末端に達し興奮の伝達が行われるとき、シナプスは神経伝達物質の種類によってシナプス後側の活動が高くなる興奮性シナプスと、活動が低くなる抑制性シナプスがある。

 

また、シナプス同士のつながり方にも種類がある。一つはシナプス前繊維が枝分かれしていき、多くの後要素と結合する発散型と多くのシナプス前繊維から一つに集約する集中型がある。

 

 シナプスの伝達

 

自律神経や中枢神経ではシナプスの興奮性や抑制性、シナプスの発散型や集中型がまざって存在している。そのため、統合作用が営まれている。

 

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