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役に立つ薬の情報~専門薬学

不安障害と抗不安薬

 

 不安障害
不安が強いために、行動や心理にまで影響を及ぼす症状を不安障害という。

 

健康状態の不安は理由が分かっているために表現でき、一度不安が取り除かれれば気になることはない。それに対し、不安障害の場合は不安が起こっている理由がなく、長く続くためまたいつ不安が襲ってこないか気になってしまう。

 

不安障害としては以下のようなものがある。

 

 ○パニック障害(PD)
突然、強烈な不安に駆られることで動悸・呼吸困難などが起こり、「自分は死んでしまうのではないか」など恐怖に襲われる。このような急性の発作をパニック発作という。

 

また同じような発作が起こるのではないかと心配する「予後不安」となり、発作が起きやすくなってしまう。また、長期化することで「人が多い場所で発作が起きたらどうしよう」と心配してしまい、人のいる場所を避ける「広場恐怖症」が生じてくる。

 

 ○広場恐怖症
「もし発作が起きてしまったら」などを考えるあまり、生活範囲を限定してしまう症状。このため、人の多い場所を敬遠してしまう。

 

パニック障害と併発して表れることがある。

 

 ○社会不安障害(社交不安障害:SAD)
「人前でのスピーチ」や「初めて会った人と話す」など、社会的な場面で強い恐怖や不安を感じる精神疾患である。

 

多くの人の注目を集める場面であると、誰でも最初は緊張する。しかし、それは数をこなすうちに慣れていき、日常生活に支障をきたすことはない。

 

それに対し、社会不安障害では吐き気・震え・呼吸困難など身体症状として出るため、なかなか慣れない。特定の出来事をきっかけとして、症状が表れる。

 

 ○強迫性障害(OCD)
浮かんでくる不安を取り除くため、何回も同じ行動を繰り返す精神障害のことである。本人が病気を自覚していることもあるが、それでも適切な治療を受けない限り治すことはできない。

 

「手の汚れが気になって、何回も手を洗わずにいられない不潔脅迫(潔癖症)」や「ガスや電気が消えたか、鍵をかけたかなど、何度も家に帰って確認する確認脅迫」など、さまざまな種類がある。

 

 ○心的外傷後ストレス障害(PTSD)
「震災、事故、いじめ」など心に強い衝撃を受ける傷を受けることで、そのあと悪夢や不安・不眠、過去の体験が蘇ってくるフラッシュバックなどの症状が出る精神障害である。

 

日本では阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件により、病名が知れ渡るようになった。

 

 

 不安障害に用いられる薬
人は脳内でいろいろな感情を育てる。そのため、心は胸の中ではなく、実際は頭の中に存在する。

 

「心の風邪」と言われているうつ病の治療薬は脳内に作用する。同じように、不安障害の治療薬も脳に作用する薬が使用される。

 

使用される薬物は不安障害の種類によって使い分けられ、抗不安薬(BZ作動薬)、抗うつ薬、統合失調症の治療薬などさまざまである。

 

以下に、その例を載せる。

 

薬の分類

一般名

商品名

作用機序

抗不安薬

(BZ作動薬)

アルプラゾラム

コンスタン
ソラナックス

GABAA受容体亢進

ジアゼパム

セルシン
ホリゾン

ロラゼパム ワイパックス
ロフラゼプ メイラックス
ブロマゼパム レキソタン
クロチアゼパム リーゼ
エチゾラム デパス

抗うつ薬

(三環系抗うつ薬)

アミトリプチリン トリプタノール

ノルアドレナリン・

セロトニンの

再取り込阻害

イミプラミン トフラニール

抗うつ薬

(SSRI)

フルボキサミン

ルボックス
デプロメール

選択的セロトニン

再取り込み阻害

パロキセチン パキシル
セルトラリン ジェイゾロフト
エスシタロプラム レクサプロ

抗統合失調症薬

オランザピン ジプレキサ

D2受容体遮断

クエチアピン セロクエル
スルピリド ドグマチ―ル

 

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