ロタリックス(ロタウイルスワクチン)
嘔吐や下痢を引き起こすウイルスとしてはノロウイルスが有名です。冬に感染を引き起こし、激しい胃腸炎を発症させます。これと同じように胃腸炎を起こすウイルスとしてロタウイルスがあります。
ロタウイルスは主に乳幼児で問題となるウイルスです。ロタウイルスによる症状が重症化すると、命に関わることもあります。
そこで、ロタウイルスによる胃腸炎を防ぐためにワクチンが使用され、このロタウイルスワクチンをロタリックスと呼びます。
ロタウイルス胃腸炎とは
ノロウイルスとロタウイルスでは発症する年齢に大きな違いがあります。ノロウイルスは成人でも発症しますが、ロタウイルスは前述の通り乳幼児で問題となります。
ロタウイルス胃腸炎を引き起こしやすい年齢は生後6ヶ月~2歳の乳幼児であり、5歳までにほぼ100%の小児がロタウイルスに感染・発症します。大人では既に免疫が作られているため、ロタウイルスに感染しても病気を発症しない場合がほとんどです。
胃腸炎を発症すると、激しい嘔吐や下痢などによって体の水分がなくなっていきます。そのために脱水が進行し、けいれんや意識障害を引き起こすこともあります。15人に1人は入院が必要になるとも言われています。
ロタウイルスは感染力が強く、わずかでもウイルスが侵入してしまえば感染が成立してしまいます。そのため、いくら消毒などによって衛生管理を徹底していたとしても、感染を防ぐことは難しいです。
何度かロタウイルスに触れることで免疫が付いていれば症状は軽くなりますが、乳幼児のように免疫がない状態で感染すると激しい嘔吐や下痢が症状として表れるようになります。そこで、ロタリックスなどのワクチンを使用することで感染した時の症状を軽減するのです。
ワクチン接種により、重度のロタウイルス胃腸炎のほとんどを防ぐことができます。その結果、家族への負担も大幅に軽減できます。このように、乳幼児に対するロタウイルス胃腸炎を予防し、重症化を防ぐワクチンがロタリックスです。
ロタリックスの特徴
ロタウイルスによる胃腸炎を予防するために開発された国内初のワクチンがロタリックスです。臨床試験では、重症のロタウイルス胃腸炎の発症を92%予防できたことが分かっています。
ワクチンには病原性を弱めたロタウイルスが入れられており、生ワクチンとして口からワクチンを投与します。
ロタリックスは2回の接種でロタウイルスに対する優れた予防効果を発揮することが知られており、全てのロタウイルスの型に対して予防効果を発揮します。ただし、ロタウイルスによる胃腸炎以外の感染症までは予防効果がありません。
主な副作用としては、不機嫌な態度で周りに接する易刺激性(7.3%)や下痢(3.5%)、咳き込み・鼻水(3.3%)などがあります。このような副作用がありますが、安全性が高くロタウイルス胃腸炎の重症化を防ぐ効果からWHOでもロタウイルスワクチンの接種を推奨しています。
このような特徴を有し、ロタウイルスによる胃腸炎を予防することで乳幼児を守るワクチンがロタリックスです。
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