ユリーフ(シロドシン)の作用機序:前立腺肥大症治療薬
特に男性では年を取ることで、トイレの時に尿のきれが悪かったり残尿感が残ったりするようになることがあります。このような症状を引き起こす病気として、前立腺肥大症があります。年だからと思って放っておくと、日常生活にまで影響してしまいます。
そこで、前立腺肥大症を治療するために使用される薬としてシロドシン(商品名:ユリーフ)があります。前立腺肥大症治療薬の中でも、α受容体遮断薬と呼ばれる種類の医薬品になります。
α受容体遮断薬による前立腺肥大症治療の作用機序
前立腺は男性にのみ存在する器官であるため、前立腺肥大症は男性にしか発生しません。
この前立腺ですが、尿道の周りを取り囲むように位置しています。そのため、前立腺が大きくなってしまうと尿道が圧迫され、結果として尿が出にくくなってしまいます。
これが、前立腺肥大症によって「尿のきれが悪い」、「残尿感がある」などの症状が表れる理由となります。そこで前立腺肥大症を治療するためには、尿道を拡げることで尿をスムーズに出せるようにすれば良いことが分かります。
私たちが運動をしている時、相手をよく見るために瞳孔が開きます。それと同時に、たくさん息を取り入れるために気管支は拡張し、心拍数は多くなります。そして、トイレに行っている場合ではないため、排尿は抑制されます。
排尿抑制が起こっているとき、尿道が閉じるように働きます。この時、運動時の排尿抑制に関わっている受容体がα受容体です。
尿道や前立腺にはα受容体が存在します。そして、運動時のようにα受容体が活性化すると、前立腺による圧迫や尿道が閉じることなどによって排尿が困難になってしまいます。
そこで、前立腺肥大症による排尿困難を治療するためには、α受容体を阻害して尿道を拡げてしまえば良いことが分かります。
このような考えにより、前立腺肥大症を治療するα受容体阻害薬がシロドシン(商品名:ユリーフ)です。
シロドシン(商品名:ユリーフ)の特徴
α受容体と言っても、細かく見るとα受容体は兄弟のように3つに分けられます。この時のα受容体としては、
α1A受容体:前立腺に多く存在している
α1B受容体:血管に多く存在している
α1D受容体:膀胱に多く存在している
があります。
この中でも、α1A受容体が前立腺や尿道に多く存在しています。そのため、α1A受容体を選択的に阻害する事ができれば、「他のα受容体に作用することによる副作用を回避し、前立腺や尿道にのみ効果を発揮させることができる」と分かります。
α受容体の中でもα1A受容体に対して選択的に阻害作用を示す薬がシロドシン(商品名:ユリーフ)です。
このようにして前立腺や尿道に対して作用することで尿道を拡げ、前立腺肥大症の症状を和らげる効果をもつ薬です。
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