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カリメート、アーガメイト(ポリスチレン)の作用機序:カリウム吸着薬

 

腎臓の機能が悪くなってしまう慢性腎不全では、血液中のカリウム値が高くなってしまいます。これにより、高カリウム血症を引き起こしてしまいます。

 

この高カリウム血症を改善する薬としてポリスチレン(商品名:カリメート、アーガメイト)があります。アーガメイトはジェネリック医薬品(後発医薬品)になりますが、アーガメイトゼリーなどの発売によって先発医薬品よりもシェアが高くなってしまった医薬品です。

 

 ポリスチレンの作用機序
腎臓は尿の生成だけでなく、カリウムの排泄にも関わっています。そのため、慢性腎不全によって腎臓の機能が落ちてしまうと、カリウムの排泄が滞ることで高カリウム血症を引き起こしてしまいます。

 

血液中のカリウム値が高いと体がしびれや筋力低下、不整脈などを招いてしまいます。そこで、慢性腎不全患者では高カリウム血症を予防するために、血液中のカリウム値を下げる薬が使用されます。この時、イオン交換樹脂を利用します。

 

カリウムはイオンとして存在しています。イオン交換樹脂にはイオンを吸着する働きがあるため、イオン交換樹脂によってカリウムイオンを吸着させることができます。

 

つまり、腸からのカリウム吸収を抑制することができれば、血液中のカリウム濃度の上昇を抑えることができます。イオン交換樹脂はカリウムを吸着することができるため、慢性腎不全による高カリウム血症を改善させることができます。

 

このように、腸に存在するカリウムを吸着することで高カリウム血症を改善するイオン交換樹脂がポリスチレン(商品名:カリメート、アーガメイト)です。

 

 ポリスチレンの作用機序:カリウム吸着剤

 

ポリスチレンはカルシウム型のイオン交換樹脂です。「腸の中に存在するカリウム」と「イオン交換樹脂に含まれるカルシウム」が交換されることにより、カリウムを吸着させます。

 

イオン交換樹脂自体は腸から吸収されることなく糞便として体外へと排泄されます。そのため、イオン交換樹脂に吸着されたカリウムも一緒に糞便として排泄されます。

 

 

 アーガメイトゼリーの特徴
ポリスチレンの先発医薬品はカリメートになります。しかし、先発医薬品よりもシェアの高いジェネリック医薬品としてアーガメイトゼリーがあります。

 

それまでのポリスチレン製剤は粉末であり、服用した時に口の中に違和感が残っていました。この違和感としては、「熱感」、「ザラザラ感」、「樹脂臭」などがあります。

 

また、慢性腎不全患者は腎臓の機能が弱っているため、尿量が少なくなっています。うまく体内の水分量を調節できないため、水分摂取を制限しています。しかし、先ほどの服用時の違和感のため、「ポリスチレン製剤を服用する時に多量の水が必要となる」という問題点がありました。

 

このような事から、ゼリー製剤として開発されたポリスチレン製剤がアーガメイトゼリーになります。先発医薬品よりも服用時の違和感を抑え、「多量の水と共に服用しなければいけない」という問題点を解決した薬となります。この特徴により、シェアを拡大させることができました。

 

ただし、ゼリーと言っても美味しい訳ではありません。そこで、アーガメイトゼリーには服用時の味をごまかすためにフレーバーを用意することができます。

 

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